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世界は「関係」でできている: 美しくも過激な量子論/カルロ・ロヴェッリ
¥2,200
著者:カルロ・ロヴェッリ 出版社:NHK出版 判型:四六版/240ページ 版元からの紹介: "ホーキングの再来"と評される天才物理学者が"真実"を明かす イタリアで12万部を売り上げ、世界23か国で刊行予定の話題作! 科学界最大の発見であり、最大の謎とされる量子論。 はたして量子論の核心とは何か、 それはどんな新しい世界像をもたらしたのかを、 研ぎ澄まされた言葉で明快に綴る。 量子は私たちの直感に反した奇妙な振る舞いをする。 著者によれば、この量子現象を理解するためには、 世界が実体ではなく、関係にもとづいて構成されていると 考えなくてはならないという。 さらにこの考え方を踏まえれば、現実や意識の本質は何か、 といった哲学的な問いにも手がかりが得られるのだ――。 深い洞察と詩情豊かな表現にいろどられ、 私たちを“真実"をめぐる旅へといざなう興奮の書!
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収納され続ける収納 生活者のデザイン史/北田聖子
¥2,090
著者:北田聖子 出版社:雷鳥社 判型:240ページ 版元からの紹介: 桑沢デザイン研究所でデザイン史を教える著者がつむぐ「収納」の歴史 誰もがあたりまえに行っている行為「収納」。おもに住まいに関する収納を取り上げた書籍や雑誌の刊行はあとをたちません。なぜ収納の話題は尽きないのか。また、どうして私たちは物をどうにか収納しようとし続けるのか。 本書では、「住まいにおける収納がどのように語られてきたか」をテーマに、収納の歴史を3つの章と10のパートにわけて編成しています。私たちになじみのある現代から、過去にさかのぼるかたちで、時代ごとに変わっていく収納の意味や、それらがあらわれた文脈を、ことばを手がかりに取り上げます。 私たちは日々、デザインの所産である物を住まいのどこかに置いたり、隠したり、飾ったり、ときにはそのための収納用品を自らつくったりして、生活をかたちづくっています。収納の歴史は、名もなき人々のデザインの歴史でもあるのです。
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火明かり ゲド戦記別冊/アーシュラ・K.ル=グウィン
¥990
著者:アーシュラ・K.ル=グウィン 出版社:岩波書店 判型:新書/254ページ 版元からの紹介: まどろみながら彼は、はてみ丸のことを考えていた。あの小さな舟で旅した日々をーー。作家の没後に公表された〈ゲド戦記〉最後のエピソード「火明かり」。ほか、未邦訳短編「オドレンの娘」、『夜の言葉』よりエッセイ3編、講演「「ゲド戦記」を“生きなおす”」などを収めた、日本語版オリジナル編集による別冊。解説=中島京子
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西洋哲学の10冊/左近司祥子
¥1,056
著者:左近司祥子 出版社:岩波書店 判型:新書/232ページ 版元からの紹介: ギリシャから現代まで、西洋哲学をかけあしで味わってみよう。プラトン、アリストテレス、アウグスティヌス、デカルト、カント、ルソー、ニーチェ、ベルクソン、ハイデガー、ラッセルの著作から10代の感性で触れておきたい著作について、その入り口を解説。もっと読んでみたくなる1冊がきっと見つかる哲学入門。
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なぜ人は自分を責めてしまうのか/信田さよ子
¥968
著者:信田さよ子 出版社:筑摩書房 判型:新書/244ページ 版元からの紹介: 当事者の言葉を辞書として、私たちを苦しめるものの正体に迫る。 公開講座をもとにした、もっともやさしい信田さよ子の本。 「すべて自分が悪い」というふうに自分の存在を否定することで、世界の合理性を獲得する。この感覚を、自責感といいます。臨床心理学では、自責の問題はほとんど扱われてきませんでした。この本では当事者の言葉を辞書として、自責感だけでなく、母と娘、共依存、育児といったものにまつわる問題を考えていきます。講座の語り口を活かした、やさしい一冊です。 「私が念頭に置いていたのは、家族の問題、母との関係、配偶者との関係などに困っているひとたちだった。いわゆる専門家ではなく、困っているひとたち(当事者)に向けて私は話をしてきた……本書は、かなりシリアスな内容が、わかりやすい文体で書かれた一冊になったのではないかと思っている。」(本文より)
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アイデアのつくり方/ジェームス W.ヤング
¥1,100
著者:ジェームス W.ヤング 訳者:今井茂雄 解説:竹内均 出版社:CCCメディアハウス 判型:四六版/102ページ 版元からの紹介: “どうやってアイデアを手に入れるか”への解答がここにある! アメリカの超ロングセラーが現代に問う先進の発想術。60分で読めるけれど一生あなたを離さない本。
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校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる/牟田都子
¥2,200
著者:牟田都子 出版社:アノニマ・スタジオ 判型:四六版/144ページ 版元からの紹介: 言葉のあるところには、すべて校正がある。 世の中には様々な校正・校閲の現場があるはずなのに、現場に関わる人以外にはなかなか中が見えづらい。本書は、校正者の牟田都子さんが11箇所の校正・校閲の現場で働く方々に取材をした対談集です。 マンガ、レシピ、テレビ、辞書、ウェブ、法律書、スクール、地図、新聞、商業印刷物、雑誌、それぞれの現場における特徴や進行の仕方、仕事の醍醐味や難しさを伺い、その現場特有の仕事道具や、どのような経緯で今の仕事に就いたのかなども教えていただきました。 校正・校閲に興味のある方、言葉そのものに関心のある方にぜひ手にしていただきたい内容です。 [目次] はじめに 1 マンガ 講談社校閲部 2 レシピ レタスクラブ(KADOKAWA LifeDesign) 3 テレビ タイトルアート 4 辞書 境田稔信 5 ウェブ ヴェリタ 6 法律書 有斐閣法律編集局校閲部 7 スクール 日本エディタースクール 8 地図 平凡社地図出版 9 新聞 毎日新聞社校閲センター 10 商業印刷物 タクトシステム 11 雑誌 BRUTUS(マガジンハウス) 参考文献 より校正・校閲を知るためのブックリスト おわりに
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今日は昨日のつづき どこからか言葉が/谷川俊太郎
¥1,760
著者:谷川俊太郎 出版社:朝日新聞出版 判型:四六版/104ページ 版元からの紹介: おめでたいマンネリズム / 自分さん / 宇宙のマトリョーシカ / ある墓碑銘 / そうなんだよ / 何事もなく / どうして信頼する女友達に / つなぐ ほどく / 黙る / 秋のアジサイ / わざわざ書く / 知らずに会ってる / み / 二月 / 夜よ来い / また朝 / 心の貪欲 / 違う / いい天気 / 午後 / あ いるんだ / 更地をみつめる / ひび / 今という時 / テレビの前 / のどか / 滞在記録2023 / 今年ももう春 / いのち / 秋のような春 / 山 / お帰りなさい / 夕方 / 未完 / 広々とした大通り / 転ぶ意見は言わずに / 二月の午後 / 桜並木の手入れ / 路地 / 卒寿 朝 / 昼寝 / 五里霧中 / 満腹空腹 / 和室 / 思うだけ / 感謝
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音を立ててゆで卵を割れなかった/生湯葉シホ
¥1,870
著者:生湯葉シホ 出版社:アノニマ・スタジオ 判型:四六版/168ページ 版元からの紹介: 様々なウェブ媒体でライティング、取材で実績のある生湯葉シホさん。幼少期から現在にかけて不安でたまらなかった自己の内面を、食べものの記憶とともにふり返るエッセイ集。繊細な心の機微を捉え、共感を呼ぶ30篇です。
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めぐる、25号【特集】涼を届ける
¥800
『めぐる、25号【特集】涼を届ける』 出版社:株式会社あわわ 版元からの紹介: 2025年の夏も全国的に猛暑が予想されるなか、人が人に届ける“涼”を見つめました。 かき氷をつくる人、風鈴を吊るす人、涼やかな音楽を選ぶ人……。 温度を下げるだけでなく、五感を通して心にやさしく届く“涼”を生み出す、徳島のさまざまな営みを訪ねています。 また、徳島らしい夏の風物詩として、紫陽花咲く高原、動物園の暑さ対策、50年続く海の家なども紹介。 心がすっと軽くなるような一冊に仕上がっています。
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【サイン本】エレベーターのボタンを全部押さないでください/川内有緒
¥1,980
著者:川内有緒 出版社:ホーム社 判型:四六版/256ページ 版元からの紹介: いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。 『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo! ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた日経新聞、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。 メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」……。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。 ユーモラスで味わい深い文章に、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。 川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。 この本そのものが、冒険で、旅なのだ。――岸本佐知子(翻訳家) 並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる。――こだま(作家・エッセイスト)
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人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」/篠田謙一
¥1,056
著者:篠田謙一 出版社:中公新書 判型:新書判/320ページ 版元からの紹介: 古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
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胎児の世界 人類の生命記憶/三木成夫
¥770
著者:三木成夫 出版社:中公新書 判型:新書判/240ページ 版元からの紹介: 赤ん坊が、突然、何かに怯えて泣き出したり、何かを思い出したようににっこり笑ったりする。母の胎内で見残した夢の名残りを見ているのだという。私たちは、かつて胎児であった十月十日のあいだ羊水にどっぷり漬かり、子宮壁に響く母の血潮のざわめき、心臓の鼓動のなかで、劇的な変身をとげたが、この変身劇は、太古の海に誕生した生命の進化の悠久の流れを再演する。それは劫初いらいの生命記憶の再現といえるものであろう。
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僕には鳥の言葉がわかる/鈴木俊貴
¥1,870
著者:鈴木俊貴 出版社:小学館 判型:四六判/264ページ 版元からの紹介: 面白くて読みやすい!たちまち12万部! 爽快な読後感が大人気! ◎山極壽一さん(総合地球環境学研究所所長) 「現代のドリトル先生による新しい動物言語学の誕生だ」 ◎仲野徹さん(生命科学者) 「内容は深いが、文章は平易にしてユーモアたっぷり。 これまで読んだサイエンス本でベスト」 ◎三宅香帆さん(文芸評論家) 「『観察が上手い』人ってこう生きてるんだ!と興奮しました」 ◎安野モヨコさん(漫画家) 「鈴木先生の後をついて行けば鳥たちが何を話しているのかわかるかもしれない。 そんな気がして先生の後をついていく列に私も加わったのだ」 ◎養老孟司さん(解剖学者) 「好きこそものの上手なれ、という。でも論語ではさらに上があるとする。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。楽しんでやっている人にはかなわない。著者の研究はまさに『これを楽しむ』の境地に入っている」 :::::::::::::::::::::::: 言葉を持つのは人間だけであり、鳥は感情で鳴いているとしか認識されていなかった「常識」を覆し、「シジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っている」ことを世界で初めて解明した研究者による科学エッセイ。 編集者からのおすすめ情報: 本書の草稿を拝読したとき、何より感動したのは、鈴木先生が「シジュウカラのことが好きだ、もっと知りたい」というまっすぐな気持ちで、自然の中に身を置いて根気強く鳥たちをよく観察する姿勢でした。文系、理系、アウトドア派、インドア派問わず、何かを「好き」と思う気持ちを大事にすることで、日常生活の中でも新鮮な驚きや気づきが得られ、ひいては世界的な発見にまで繋がる--これは読者の皆さまにとっても、ポジティブなメッセージとなることと思います。 ちなみに、初の単著となる本文内のイラストはすべて鈴木先生自身によるもの! こまかなところまでかわいらしく描かれているのは、愛と興味をもって丁寧に相手を観察する鈴木先生ならではのタッチです。ぜひお楽しみください。 ◎巻頭口絵にはシジュウカラたちのカラー写真が、巻末にはシジュウカラの言葉を聞ける二次元コードつき。 目次: はじめに 鳥たちの世界へ 小鳥が餌場で鳴く理由 救いと拷問のキャベツ ヒロシ先生の思い出 巣箱をかけた話 都会の住宅事情 繁殖の観察 修士課程の秋と冬 巣箱荒らしの犯人 大発見! ヒナの力 パースの思い出 動物の博士 実家の巣箱 ヒナ救出大作戦 井の中の蛙 シジュウカラに言葉はあるのか? 「ジャージャー」はヘビ! シジュウカラは文を作る ルー語による文法の証明 「ぼく・ドラえもん」実験 翼のジェスチャー カエル人間救出作戦 動物言語学の幕開け おわりに 特別付録 シジュウカラの鳴き声を聞いてみよう 参考文献
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[新版]ポール・ランド、デザインの授業/マイケル・クローガー
¥1,540
著者:ポール・ランド/マイケル・クローガー 編集:マイケル・クローガー 翻訳:和田美樹 デザイン:中山正成(APRIL FOOL Inc.) 出版社:BNN 判型:A5判変型/80ページ 版元からの紹介: 2008年に刊行され、多くのデザイナーからの支持を得た『ポール・ランド、デザインの授業』を新訳にて復刊。IBM、UPS、ABCなど、誰もが見たことのあるコーポレートロゴを数多く手掛けたポール・ランド。時代に淘汰されないデザインのための哲学、教育者としての厳しさと優しさに触れられる、座右の書。 目次: 序文 ウォルフガング・ワインガルト 対話1 対話2 ポール・ランドに寄せて フィリップ・バートン ジェシカ・ヘルファンド ステフ・ガイスビューラー ゴードン・サルコウ アーミン・ホフマン
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水辺にて/梨木香歩
¥638
著者:梨木香歩 出版社:ちくま文庫 判型:文庫判/256ページ 版元からの紹介: ——on the water/off the water 物語の予感。 川のにおい、風のそよぎ、木々や生き物の息づかい。カヤックで水辺に漕ぎ出すと見えてくる世界を、物語の予感いっぱいに語るエッセイ。
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天使も怪物も眠る夜/吉田篤弘
¥924
著者:吉田篤弘 出版社:中公文庫 判型:文庫判/456ページ 版元からの紹介: 二〇九五年、〈壁〉によって東西に分断された東京では、誰もが不眠に悩まされていた。睡眠薬開発を巡る攻防は、やがて「眠り姫」の謎にたどり着く……。
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椿宿の辺りに/梨木香歩
¥759
著者:梨木香歩 出版社:朝日文庫 判型:A6判並製/384ページ 版元からの紹介: 三十肩と鬱に悩まされている皮膚科学研究員の山幸彦は、ふたごの鍼灸師のすすめで祖先の地、椿宿に向かう。山幸彦は、そこで屋敷と土地の歴史、自らの名前の由来を知り……。入りくんだ痛みとは何かを問う傑作長編。
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眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』/福尾 匠
¥1,430
著者:福尾 匠 出版社:河出文庫/河出書房新社 判型:文庫判/368ページ 版元からの紹介: 映画の新しさはいかにして哲学の新しさへと跳ね返るのか。『シネマ』の緻密かつ明快な読解からドゥルーズ哲学の創造の原理が明かされる。『非美学』の福尾匠のデビュー作、ついに文庫化。 著者プロフィール: 福尾 匠 (フクオ タクミ) 1992年生まれ。哲学者、批評家。博士(学術)。著書に『非美学』、『眼がスクリーンになるとき』、『日記〈私家版〉』、共訳書にアンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』がある。
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文化の脱走兵/奈倉有里
¥1,760
著者:奈倉有里 装幀:名久井直子 装画:さかたきよこ 出版社:講談社 判型:四六判/224ページ 版元からの紹介: 第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞作! 本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。 いま、本読みたちにもっとも注目されているエッセイ集。 ******************** 軽やかで、優しくて、豊かで、 そしてなんと性根のすわった作家なのだろう。 ――川上弘美 遠いところからとても大切な声が聴こえる。 奈倉さんの静かでタフな言葉が、 新しい国境を切り拓いている。 ――三宅香帆 ******************** 「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。 「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より) 紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者が、言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。 もくじ: クルミ世界の住人/秋をかぞえる/渡り鳥のうた/動員/ほんとうはあのとき……/猫にゆだねる/悲しみのゆくえ/土のなか/道を訊かれる/つながっていく/雨をながめて/君の顔だけ思いだせない/こうして夏が過ぎた/巣穴の会話/かわいいおばあちゃん/年の暮れ、冬のあけぼの/猫背の翼/あの町への切符/柏崎の狸になる/あとがき 文化は脱走する 著者略歴: 奈倉 有里(ナグラ ユリ) 1982年、東京都生まれ。ロシア文学研究者、翻訳者。2008年、ロシア国立ゴーリキー文学大学を日本人として初めて卒業する。東京大学大学院修士課程を経て博士課程満期退学。博士(文学)。2022年、『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)で第32回紫式部文学賞、『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』(未知谷)などで第44回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。2025年、『文化の脱走兵』で第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。同年、第18回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。主な訳書に、ミハイル・シーシキン『手紙』(新潮クレスト・ブックス)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』『赤い十字』(集英社)、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版』(岩波書店)ほか多数。近著に『ロシア文学の教室』(文春新書)。
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ATHE MAGAZINE 3号 BLESS AND CURRY
¥1,760
『ATHE MAGAZINE 3号 BLESS AND CURRY』 ソフトカバー 160ぺージ A5 判変形(114×207mm) 日本語 / 英語 版元からの紹介: ビール 2 杯分のアテになる Little Magazine『ATHÉ(アテ)』シリーズ。3 号目となる BLESS AND CURRY は「スリランカで一番うまいのはカレーちゃうねん。お葬式のごはん」。 有名スリランカ料理店の人から聞いたこの言葉は本当なのか。真実を確かめに行ったルポ ルタージュ。お葬式を探し回るなかで見つけたスリランカ家庭の味わい。そして紆余曲折 を経てたどり着いた真実とは。ソフトカバー。表紙フルカラー、中面モノクロ。現地で撮 影した 242 点の写真を掲載し臨場感を刷り込ませたビジュアル展開&バイリンガル仕様。 〇以下、プロローグより。 「スリランカで一番うまいのはカレーちゃうねん。お葬式のごはん」 ラッキーガーデンの池原賢美さんは言った。奈良と大阪を隔てる生駒山。その中腹にある ラッキーガーデンは 4 名のスリランカ人シェフを擁す、本場さながらのレストラン。日本 のスリランカ料理店として初めてミシュランに掲載されるほど、カレーや副菜を全部ごち ゃ混ぜにして食べるライス&カリーは果てしなくうまい。だからこそ、池原さんの言葉に 戸惑った。「お葬式って関係ない人も行けるんですか?」。冷静を装って聞き返すと、「お 葬式を見つけたら勝手に入っていくねん。勝手に手合わすねん。そしたら向こうは料理を 振る舞うことによって功徳になるからごはんをよそってくれる。そのメシがうまいの。た いしたもんは使ってないで。近所のおばあちゃんが集まって作る、炊き込みごはん。鶏肉 も入ってない。薄揚げと大根とニンジンくらいしか入ってないけど、もうどんだけうまい か」 それから1年後。 池原さんの言葉が忘れられず、スリランカに飛んだ。 葬式メシを食べるために。
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急に具合が悪くなる/宮野真生子・磯野真穂
¥1,760
著者:宮野真生子・磯野真穂 出版社:晶文社 判型:四六判並製/256ページ 版元からの紹介: もし明日、急に重い病気になったら―― 見えない未来に立ち向かうすべての人に。 哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。 共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。 信頼と約束とそして勇気の物語。 もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか? がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。 目次: 1便:急に具合が悪くなる 2便:何がいまを照らすのか 3便:四連敗と代替療法 4便:周造さん 5便:不運と妖術 6便:転換とか、飛躍とか 7便:「お大事に」が使えない 8便:エースの仕事 9便:世界を抜けてラインを描け! 10便:ほんとうに、急に具合が悪くなる 著者プロフィール: ◇宮野真生子(みやの・まきこ) 福岡大学人文学部准教授。2000年、京都大学文学部文学科卒業。2007年、京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。専門は日本哲学史。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか――「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版)、『出逢いのあわい――九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版)、藤田尚志との共編著に『愛・性・家族の哲学』(全3巻、ナカニシヤ出版)などがある。 ◇磯野真穂(いその・まほ) 国際医療福祉大学大学院准教授。1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――いのちの守り人の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)などがある。
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世界は一冊の本 definitive edition/長田弘
¥880
著者:長田弘 カバー画:田中紗樹「存在の合図」 カバーデザイン:鈴木成一デザイン室+宮本亜由美 出版社:ちくま文庫/筑摩書房 判型:文庫判/144ページ 版元からの紹介: 詩人・長田弘がのこした祈りと鎮魂の傑作詩集。 「人生という本を、人は胸に抱いている。」――没後10年。詩人・長田弘がのこした祈りと鎮魂の傑作詩集、待望の文庫化。解説 岡崎武志 本を読もう。もっともっと本を読もう。世界という名の一冊の本を。「書かれた文字だけが本ではない。日の光り、星の瞬き、鳥の声、川の音だって、本なのだ」本を読みながら、私たちはあまりに多くの人と、言葉と、景色と出会い、別れていく。友の魂へ、母の魂へ、あるいは遠く離れた異国の魂へ。詩人がのこした祈りのための、そして人生を読み解くための傑作詩集。 解説 岡崎武志 目次: 誰でもない人 人生の短さとゆたかさ 立ちどまる ことば ファーブルさん なあ、そうだろう 友人の死 役者の死 青函連絡船 詩人の死 無名の死 父の死 母を見送る 黙せるもののための 十二人のスペイン人 嘘でしょう、イソップさん 五右衛門 世界は一冊の本 おぼえがき 解説 岡崎武志
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【サイン本】詩歌文集 欅になれる気がしている/うっかり
¥1,760
著者:うっかり 栞文:西崎憲 装画・挿画:片桐水面 出版社:百匹ブックス 判型:新書判・並製/242ページ 版元からの紹介: 徳島在住の俳人・うっかりの俳句、散文、短歌、詩を集成した初作品集。 永き日や僕は地球で死ぬだろう 打水をやめてくださるまた歩く 徳島在住、俳人でありながら小説「湿り」で阿波しらさぎ文学賞徳島新聞賞を受賞するなど、幅広いジャンルの文芸で活躍する うっかり。生活に立脚しながら、どこかポッカリと宙に浮いたような作風が大きな魅力です。初作品集である本書は、俳句310句あまりのほか、散文、短歌、詩を収録した全集的な内容となっています。 [収録作品] 俳句 312句 エッセイ「なにか三十七歳」 小説「湿り」(第五回阿波しらさぎ文学賞徳島新聞賞受賞作) 小説「人魚、歩く」 短歌連作「蜂蜜」 詩 7篇 著者プロフィール: うっかり 1982年徳島県小松島市生まれ。徳島市在住。2015年夏至より句作開始。第2回全国俳誌協会新人賞準賞。第10回、13回、14回北斗賞佳作。第1回ブンゲイファイトクラブ本選出場。第17回とくしま文学賞俳句部門優秀賞。第五回阿波しらさぎ文学賞徳島新聞賞。第21回とくしま文学賞現代詩部門最優秀賞。ひまわり会員。奎同人。俳人協会会員。現代俳句協会会員。徳島文学協会会員。七曜短歌会同人。すだち句会代表。一枚の本店主。2020年、原英より改名。