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航海記/赤井都
¥2,420
著者:赤井都 訳者:スワスティカ・ハルシュ・ジャジュ 出版社:山小屋ブックス 判型:B6変形判/ 80ページ 版元からの紹介: 先へ先へ、 漕いでいけばいいのです── どこかの海で、ひとりの人が書き残した、ある航海の記録。 豆本作家・赤井都が紡いだ、短くも鮮烈な物語。 2016年に限定30部で制作された豆本が、ついに単行本として生まれ変わります。 主人公である「私」は、どこかの海でひとり舟を漕いでいます。 あるとき、同じように舟を漕ぐ誰かの気配を感じ、 「おおい」「おおい」と呼びかけ合いながら、しばらく並走して同じ時を過ごします。 しかしやがて、また「私」はひとりに戻る── それでも漕ぎ続ける、小さな舟の航海の物語です。 人生における出会いと別れ、哀しみと希望。 それらを鮮やかに描きながら、この物語は、 「私」として生きる自由や孤独、そして限りある命を、ありのままに祝福します。 海の色のように、読むたびに景色を変える── 果てない魅力を湛えた、静かで深い一冊です。 本書は、日本語と英語の日英併記。 表紙からは日本語、裏表紙からは英語で読み進められる構成になっています。
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世界を、こんなふうに見てごらん/日髙敏隆
¥605
著者:日髙敏隆 出版社:集英社文庫/集英社 判型:文庫判/208ページ 版元からの紹介: 日高先生の人間、どうぶつ、いきものがたり 動物行動学者が、生きものと自然のユニークで新鮮な見方を、子どもでもわかる言葉でシンプルに伝える。21世紀に生きるすべての人々に贈る、やさしい自然の魅力発見の書。(解説/篠田節子)
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僕のなかの壊れていない部分/白石一文
¥924
著者:白石一文 出版社:文春文庫/文藝春秋 判型:文庫判/365ページ 版元からの紹介: 三人の女性と関係を持つ「僕」の絶望――名著再刊! 美しい恋人・枝里子をサプライズで京都に誘った。それは、昔の男が住む京都で枝里子の反応を見ようという悪意だった――。 東大卒出版社勤務、驚異的な記憶力を持つ「僕」は、同時に3人の女性と関係を持ちながら、誰とも深いつながりを結ぼうとしない。その「理屈っぽく嫌味な」言動の奥にあるのは、絶望なのか渇望なのか。彼の特異な過去を知った枝里子は。 「自分の人生にとって本質的なことからは決して逃れられない」 切実な言葉たちが読む者の胸を貫いてロングセラーとなった傑作が 文春文庫で登場。(解説・窪美澄)
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命の部首/久永草太
¥2,420
SOLD OUT
著者:久永草太 出版社:本阿弥書店 版元からの紹介: 第34回歌壇賞受賞作家の第1歌集。跋・伊藤一彦。栞・吉川宏志、石井大成、俵 万智。 ◎第69回現代歌人協会賞受賞 ◎第31回日本歌人クラブ新人賞受賞
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ことぱの観察/向坂くじら
¥1,980
著者:向坂くじら 出版社:NHK出版 判型:四六判/272ページ 版元からの紹介: 文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。 「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。 ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より) 目次: まえがき 1.「友だち」「遊びと定義」「敬意とあなどり」「やさしさ」「確認」「忘れる」「くさみ」 2.「好きになる」「恋」「ときめき」「性欲」「つきあう」「愛する」 3.あなた「友だち2」「めまいと怒り」「さびしさ」「寝る」「飲むとわかる」「乗る」「観察」 著者情報: 向坂 くじら 詩人。1994年、愛知県名古屋市生まれ。2016年、Gtクマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニツト「Anti-Trench」を結成、ライブを中心に活動をおこなう。 主な著書に詩集『とても小さな理解のための』、エッセイ『夫婦間における愛の適温』『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)など。2024年、初小説『いなくなくならなくならないで』が第171回芥川龍之介賞候補となる。執筆活動に加え、小学生から高校生までを対象とした私塾「国語教室ことぱ舎」の運営をおこなう。
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なるほどデザイン 目で見て楽しむデザインの本。/筒井美希
¥2,200
著者:筒井美希 出版社:エムディエヌコーポレーション 判型:A5判/272ページ 版元からの紹介: 「デザイン=楽しい」を実感できる新しいデザイン書籍。デザインする上で必要な基礎、概念、ルール、プロセスを別のものに例えて見方を変えてみたり、図解やイラスト、写真などの豊富なビジュアルで解説しています。現場で活躍しているデザイナーがわかりやすく教えてくれる「なるほど!」と思える内容が盛りだくさんです! Chapter 1 デザインに「正解」はない ーー編集とデザイン Chapter 2 デザイナーの7つ道具ーーデザインに必要な基礎知識をいろいろなものに例えて見てみよう Chapter 3 デザインの素ーー文字と組、言葉と文章、色、写真、グラフなどについて 身近にあるわかりやすいものに例えたり図解、イラストにしたり、置き換えて見方を変えたり・・・「どうすればよくなるか」を豊富なビジュアルとともにわかりやすく紐解いた、楽しみながらデザインのあれこれがわかる本です。
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計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話/三島邦弘
¥814
SOLD OUT
著者:三島邦弘 出版社:河出文庫/河出書房新社 判型:文庫/288ページ 版元からの紹介: 一冊入魂、原点回帰の出版社として各界から熱い注目を集めるミシマ社。たった一人の起業から五年目の「発見」までをつづった愉快・痛快・爽快エッセイ。各界から絶賛を浴びた名著に「番外編」書き下ろし。
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裏庭のまぼろし 家族と戦争をめぐる旅/石井美保
¥1,980
著者:石井美保 絵:イシイ アツコ 出版社:亜紀書房 判型:四六判/並製/260ページ 版元からの紹介: 【推薦】武田砂鉄さん(ライター) 歴史は常に今を問いかけてくる。 聞かれるのを待っている声は、 誰のもとにも在るのかもしれない。 戦地から届いた当時の手紙は、想像もつかなかった戦時中の暮らしを生き生きといまに甦らせた。 家業を「不急不要」とされ、祖父は軍事研究の道へ。 大叔父は若き陸軍将校としてアジア各地を転戦し、沖縄へ──。 人類学者が、自身の家族史をひもときながら、その足跡を訪ねて紡ぐ、等身大の〈昭和と戦争〉。 目次: 01 裏山のほとりで 02 蔵の中 03 科学と動員 04 水底の魚 05 縁側の椿 06 絹糸のひかり 07 オルガンの歌 08 埠頭にて 09 遠い島影 10 月と海鳴り 11 物語の外で Ⅰ 12 物語の外で Ⅱ 13 竹林と夕星 14 雲の行方 あとがき 著者紹介: 石井 美保(いしい・みほ) 文化人類学者。これまでタンザニア、ガーナ、インドで精霊祭祀や環境運動についての調査を行ってきた。2020年の夏、アジア・太平洋戦争で戦死した大叔父の遺した手紙を手にしたことから、戦争と家族史について調べ始める。主な著書に『環世界の人類学』(京都大学学術出版会)、『めぐりながれるものの人類学』、『たまふりの人類学』(ともに青土社)、『遠い声をさがして』(岩波書店)などがある。現在、京都大学人文科学研究所教授。このエッセイの挿画を描いている銅版画家のイシイアツコとは実の姉妹。 石井美保研究室:https://www.mihoishiianthropology.com/ イシイ アツコ 銅版画家。フランス・ヴァンセンヌ市在住。1995年に渡仏、銅版画を始める。以降モントルイユ市、パリ20区、ヴァンセンヌ市などで銅版画制作を行う。1996年より、フランス、日本、メキシコ、香港、スウェーデン、ベルギー、アメリカなどでグループ展、1999年より、フランス、日本、ドイツ、オランダ、ベルギー、ニューカレドニア、台湾などで個展を開催する。フランス女性誌「BIBA」のイラストレーション、j'ai lu出版、l’ecole de loisir出版の文庫本カバー、ブランドisabel marantのTシャツイメージ、百貨店bon marche のグッズなど、コラボレーションも多数。
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エロティシズム/ジョルジュ・バタイユ
¥1,760
著者:ジョルジュ・バタイユ 訳者:酒井健 出版社:ちくま学芸文庫/筑摩書房 判型:文庫判/496ページ 版元からの紹介: 人間存在の根源的な謎を、鋭角で明晰な論理で解き明かす、バタイユ思想の核心。禁忌とは、侵犯とは何か? 待望久しかった新訳決定版。 労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌…。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。 目次: 第1部 禁止と侵犯(内的体験におけるエロティシズム 死に関係した禁止 生殖に関係した禁止 生殖と死の類縁性 侵犯 ほか) 第2部 エロティシズムに関する諸論文(キンゼイ報告、悪党と労働 サドの至高者 サドと正常な人間 近親婚の謎 神秘主義と肉欲 ほか 著者プロフィール: ジョルジュ・バタイユ( ばたいゆ,じょるじゅ ) 1897-1962年。フランスの思想家。大戦前から戦後にかけて、文学・思想・芸術・宗教学・政治等広範な領域で批評活動を行い、現代に至るまで大きな影響を与えつづけている。思想書:『エロティシズム』『無神学大全』『至高性』他。小説:『青空』『眼球譚』『マダム・エドワルダ』他。 訳者プロフィール: 酒井健( さかい・たけし ) 一九五四年、東京生まれ。一九七八年東京大学仏文科卒、同大学大学院進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、西欧文化史。著書に『バタイユ入門』(ちくま新書)、『ゴシックとは何か』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『バタイユ──聖性の探究者』(人文書院)、『絵画と現代思想』(新書館)、『シュルレアリスム──終わりなき革命』(中公新書)、訳書にバタイユ『エロティシズム』『ランスの大聖堂』『純然たる幸福』『ニーチェ覚書』(以上、ちくま学芸文庫)、『ニーチェについて』(現代思潮社)がある。
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社会契約論 ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ/重田園江
¥1,056
著者:重田園江 出版社:筑摩書房/ちくま新書 判型:新書判/304ページ 版元からの紹介: はじまりの政治思想講義! この社会の起源には何があったのか。ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読みなおし、近代の中心的思想を今に蘇らせる清冽な入門書! 私たちが暮らすこの社会は、そもそもどんなふうに生まれたのか。社会の形成・維持に不可欠なルールが、現にこうして守られているのはなぜか。政治秩序の正しさは、誰がどう判断すべきなのか。社会契約論とは、そんな素朴な問いを根源まで掘り下げて考える試みである。本書では、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読み解きながら、この近代の中心的思想に新たな息吹をふき込む。今までにない視点から世界の成り立ちが一望できる、清冽な政治思想入門! 目次: 第1章 ホッブズ(世界の運動論的把握とは 政治社会の再構成とホッブズ問題 約束の力) 第2章 ヒューム(秩序の起源はどこにあるのか コンヴェンションとホッブズ問題 政治社会と文明社会) 第3章 ルソー(ルソーの時代診断―「政治経済論」 ルソーの歴史観―『人間不平等起源論』 契約はどんなものか―『社会契約論』 一般性と特殊性―一般意志について) 第4章 ロールズ(ロールズのヒューム批判 正義の二原理 ルソーとロールズにおける一般性の次元) 著者プロフィール: 重田園江(おもだ・そのえ) 1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。フーコーの思想を、とりわけ「権力」や「統治」といった主題を中心に研究する。また、社会科学・人間科学への統計の応用史を掘り下げ、さらには「連帯」と「正義」をめぐる哲学的探究をつづける。著書に『ミシェル・フーコー──近代を裏から読む』(ちくま新書)、『連帯の哲学Ⅰ──フランス社会連帯主義』(勁草書房、第28回渋沢・クローデル賞)、『フーコーの穴──統計学と統治の現在』(木鐸社)などがある。
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生きることとしてのダイアローグ バフチン対話思想のエッセンス/桑野 隆
¥1,980
著者:桑野 隆 出版社:岩波書店 判型:B6・並製/184ページ 版元からの紹介: 教育や精神医療の現場で近年注目される、バフチンの〈対話〉思想をわかりやすく解説。 二〇世紀ロシアの思想家ミハイル・バフチンによる〈対話〉の思想が、近年、教育や精神医療の現場で注目されている。単なる話し合いではない、人を決めつけない、つねに未完成の関係性にひらかれた対話とは何か。「複数の対等な意識」「心に染み入る言葉」など、バフチン自身のテクストを紹介しながら、ポイントをわかりやすく解説する。 目次: はじめに Ⅰ 対話的人間 1 「わたしはひとりで生きている」という幻想 2 ひとは永遠に未完であり、決定づけられない 3 ポリフォニー――自立した人格どうしの対等な対話 4 気をゆるめることなくむすびつきながらも、距離を保つ 5 応答がないことほど、おそろしいことはない Ⅱ 内なる対話 6 モノローグが対話的なこともある 7 意識は対話の過程で生まれる 8 真理も対話のなかから生まれる 9 他者がいて、わたしがいる 10 相互が変化し豊饒化する闘争 Ⅲ 相互作用のなかのことば 11 言外の意味 12 言語のなかでは、さまざまなことばが対話をしている 補 沈黙 おわりに 注 主要文献 著者略歴: 桑野 隆(くわの・たかし) 1947年生まれ。東京外国語大学大学院(スラヴ系言語)修了。元早稲田大学教授。専攻はロシア文化・思想。主な著書に、『民衆文化の記号学』(東海大学出版会)、『未完のポリフォニー』(未來社)、『夢みる権利』(東京大学出版会)、『バフチン新版』(岩波書店)、『バフチンと全体主義』(東京大学出版会)、『危機の時代のポリフォニー』(水声社)、『20世紀ロシア思想史』(岩波現代全書)、『増補バフチン』(平凡社ライブラリー)、『言語学のアヴァンギャルド』(水声社)など。主な訳書に、バフチン『マルクス主義と言語哲学 改訳版』(未來社)、『バフチン言語論入門』(共訳、せりか書房)、バフチン『ドストエフスキーの創作の問題』(平凡社ライブラリー)、トロツキイ『文学と革命』(岩波文庫)、『ヤコブソン・セレクション』(共訳、平凡社ライブラリー)、オリガ・ブレニナ=ペトロヴァ『文化空間のなかのサーカス』(白水社)、アンナ・ラーツィス『赤いナデシコ』(水声社)など。
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クジラ、コオロギ、人間以外
¥1,650
企画、編集、デザイン:谷脇栗太 出版社:犬と街灯 判型:B6変型/332ページ 版元からの紹介: 「クジラ、コオロギ、人間以外の存在が歌う歌」についての小説や詩歌を募集して、一冊の本を作りました。あなたの家のクローゼットで、電脳空間で、人類文明崩壊後の世界で、あらゆる場所で人間以外の存在(鳥、猫、ハンガー、もやし、建造物や天体や概念 etc…)が歌いはじめる84編。 執筆者 あさとよしや、阿下潮、化野夕陽、安孫子正浩、雨海月子、あめのにわ、阿蒙瞭、新棚のい、いしころ文庫、糸川乃衣、井上彼方、うっかり、エハガキ華、絵文字、オカワダアキナ、かくのじ、カミヤマショウキ、唐桃、涸れ井戸、川咲道穂、川島むー、川原寝太郎、岸谷薄荷、北野勇作、久乙矢、鞍馬アリス、玄川透、桑井ゆた、げんなり、こい瀬伊音、紅坂紫、児島成、西藤智、坂崎かおる、佐々木倫、笹良弥月、貞久萬、サンシ・モン、しあわせサッチー、恣意セシル、釈迦堂入文、瀬戸千歳、せらひかり、千梨、高緑千恵子、只鳴どれみ、谷脇栗太、淡中 圏、手袋と風船、藤和、仲内ひより、南雲マサキ、蜂本みさ、はったみさと、花草セレ、原里実、ばらぬす、晴、春乃夜永、万庭苔子、柊木葵、笛地静恵、藤井佯、舟樢いま、風呂、暴力と破滅の運び手、穂崎円、星野いのり、蒔狐、正井、松尾模糊、祭ことこ、三日月月洞、水谷なっぱ、三刀月ユキ、宮月中、芽論総太、望月一星、森山ねこたろう、山崎朝日、幸若希穂子、葉々、六角辰巳、Y.田中 崖
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青い靴をはいて歩く/関根 愛
¥1,700
著者:関根 愛 表紙画 :阿部 海太 装丁:domeki 印刷・製本:イニュニック B6サイズ/131ページ 発⾏⽇ :⼆〇⼆五年五⽉⼗⼀⽇ 初版第⼀刷 版元からの紹介: 短篇集『青い靴をはいて歩く』 そこにいると教えて--- ---わたしはここにいる あなたが履く靴は、あなたを前へはこんでいくーーー。 "あなた"が履いてきた8つの靴を通して語られる、わたしと家族の傷と愛の物語。 ---もくじ--- 羽根のはえた靴 花びらをかぞえる靴 ボスの靴 幸運の靴 ハワイからきた靴 背伸びの靴 深夜を走る靴 青い靴
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はしっこに、馬といる(文庫判) /河田桟
¥1,980
文と絵:河田桟 編集とデザイン:賀内麻由子 組版:松本孝一 出版社:カディブックス 判型:A6横判/270ページ 版元からの紹介: 『はしっこに、馬といる―ウマと話そうⅡ』が、横長の文庫になりました! 『馬語手帖―ウマと話そう』の続編になります。 与那国島の自然の中で、相棒のウマと暮らしているうちに見えてきた、これまでとはちがうコミュニケーションの形について、とても個人的な視点から書いています。 身体的に力がなかったり、ウマに対して強く接することが苦手だったり、すこし「弱い」部分を持ったヒトが、ウマとコミュニケーションを取るためにはどうしたらよいかを考えていく本、と言ったらいいでしょうか。 ヒトが答えを決めて、それに添うようウマに動いてもらうのではなく、ウマの話に耳を傾けながら、一緒に考え、一緒に答えを探していく、静かなコミュニケーションです。 強くならずとも、ウマとつきあうことはできますよ、そこにはものすごく豊かな世界が広がっていますよ、と、だれかに伝えたくて、この本を作ったのかもしれません。
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私の小さな日本文学/チェ・スミン 編
¥1,760
編者:チェ・スミン 出版社:夏葉社 判型:文庫判・ハードカバー/208ページ 版元からの紹介: 『私の小さな日本文学』という日本近代文学のアンソロジーを刊行いたします。 選者は韓国で「夜明けの猫」という出版社と「セゴ書林」という書店を営むチェ・スミンさん。芥川龍之介、片山廣子、伊藤野枝、田中貢太郎らの掌篇をセレクトする彼女の新鮮はとにかく新鮮です。
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上林曉の本 海と旅と文と/山本善行 編
¥2,640
著者:上林曉 編者:山本善行 写真:鈴木理策 出版社:夏葉社 判型:四六変形判・ハードカバー/238ページ 版元からの紹介: カバー写真のほか巻頭の32ページを鈴木理策さんが撮り下ろして下さった、とても美しい本です。山本善行さんによる渾身の全小説案内、左手で書いた直筆原稿、木山捷平、野呂邦暢、関口良雄らが綴った随筆を収録しています。
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未来の図書館のために/前川恒雄
¥1,980
SOLD OUT
著者:前川恒雄 装丁:櫻井久 写真:漆原宏 出版社:夏葉社 判型:四六判変形・上製/176ページ 版元からの紹介: 前川恒雄さんは2020年の1965年に東京都の日野市において、 初代の日野市図書館長をつとめ、市民が求める本を提供する というその1点において、日本の図書館の性格を変えました。 それは一口にいえば、市民を教育・指導する図書館から、 市民の生活のそばにあり、市民とともに成長する図書館への 大きな転換であり、いまでは当り前とされる「リクエストサービス」も 日野の図書館において、最初にはじまりました。 『未来の図書館のために』は前川さんの図書館にたいする考え方、 現在の図書館にたいする思い、そして『移動図書館ひまわり号』では 書かれなかった、その後の前川さんの歩みを綴っています。 前川さんが最後に、読者、とくに図書館に携わるひとたちに伝えたかった ことをまとめた1冊です。 あとがきは長女の文さんが書かれています。
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星を撒いた街/上林曉
¥2,420
著者:上林曉 撰者:山本善行 出版社:夏葉社 判型:四六判・上製/240ページ 版元からの紹介: 上林曉傑作小説集『星を撒いた街』 30年後も読み返したい美しい私小説。 ・著者紹介 上林曉(かんばやし・あかつき) 一九〇二年、高知県生まれ。本名、徳廣巖城(とくひろいわき)。 東京大学英文科卒。改造社の編集者を経て、作家の道に進む。 精神を病んだ妻との日々を描いた『明月記』(一九四二)、 『聖ヨハネ病院にて』(一九四六)、脳溢血によって半身不随となった 後に発表した『白い屋形舟』(一九六三)、『ブロンズの首』(一九七三) など、長きにわたって優れた短編小説を書き続けた。八〇年没。 ・撰者紹介 山本善行(やまもと・よしゆき) 一九五六年、大阪府生まれ。関西大学文学部卒。 古書店「善行堂」店主。関西の情報誌を中心に執筆活動を続ける。 著書に『古本泣き笑い日記』(青弓社・二〇〇二)、 『関西赤貧古本道』(新潮社・二〇〇四)、 『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社・二〇一〇)、 岡崎武志との共著に『新・文學入門』(工作舎・二〇〇八)がある。 書物雑誌「sumus」代表。 収録作は、収録作は、「花の精」、「和日庵」、「青春自画像」、 「病める魂」、「晩春日記」、「諷詠詩人」、「星を撒いた町」の7編。 あらゆる年代から選んだ、まさに上林のオールタイム・ベストです。
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さよならのあとで/ヘンリー・スコット・ホランド
¥1,430
著者: ヘンリー・スコット・ホランド 絵:高橋和枝 装丁:櫻井久 出版社:夏葉社 判型:四六判・上製/120ページ 版元からの紹介: 死はなんでもないものです。 私はただ となりの部屋にそっと移っただけ 百年前のこの一編の詩に、絵本作家の高橋和枝さんが、二年の時間を費やして、一八枚のイラストをそえました。 死別のかなしみをいやす、特別な一冊。
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本屋で待つ/佐藤友則・島田潤一郎
¥1,760
著者:佐藤友則・島田潤一郎 装画・挿絵:ひうち棚 装丁;櫻井久、鈴木香代子(櫻井事務所) 出版社:夏葉社 判型:四六判変形・ハードカバー/298ページ 版元からの紹介: 著者は広島県庄原市の書店「ウィー東城店」の佐藤友則さん。 佐藤さんの話を2年にわたって聞いたものを、私(島田潤一郎)が まとめました。 人口約7000人の町にある「ウィー東城店」。 老舗書店の長男だった佐藤さんは、町民の相談ごとに耳を傾け続ける ことで、赤字続きだった店を立て直します。 「電化製品がこわれた」 「年賀状の字がもう書けない」 「普通免許をとりたいけど、母国語のポルトガル語しか読めない」 町の人びとは、本屋へ行けばなにかヒントがある、と考えて、 本屋にやってきます。 その本にたいする信頼、そして本を売る人への信頼が、ウィー東城店を 特別な店に変えていきます。 本書が感動的なのは、ウィー東城店が町の人びとの相談ごとのひとつとして、 次々に学校へ行けなかった若者たちを雇用し、彼らが社会へ出るための 後押しをしていることです。 本のある場所で、本を求める人と会話することが、若者たちの心を少しずつ 癒やしていきます。 本書はその貴重な記録でもあります。
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象・近場/man(シリーズ人間2)
¥1,320
シリーズ:シリーズ人間2 タイトル:象・近場(ぞう・ちかば) 著者: man(まん) ジャンル:小説(短編集) 内容:小説(7編)+4コマ漫画(8話)+著者インタビュー(4,000字) 定価:本体1200円+税 A6文庫判/並製/80ページ 装画・ロゴ:散歩鳥 装丁・組版:山内宏一郎(SAIWAI DESIGN) 発行所:新世界 版元からの紹介: 文字を追うことでしか入り込めない世界。ひらがなで紡がれる、manワールド全開のデビュー作! 現実の精密な観察者として、人物・動物・ものの生々しい感触を描く。さきの見えないあたらしい調べのなかで、なつかしい感覚を呼び起こさせる異色の小説集。 三歳の〈わたし〉が見えてくる「光線」、三年二組の教室からはじまる「たかしくん」、仕事の連絡を待つ「天」、カニを食べにホテルにきた「大和田」、ある日の電車のなかの様子を描いた「しゃりょう」、長距離バスで渋滞に巻き込まれる「もくよう、ひる」、表題作「象・近場」など全7編。 巻末には、著者描き下ろしの4コマ漫画8点を収録。4,000字の著者インタビュー掲載。 ・目次 ────────── 光線 たかしくん 象・近場 天 大和田 しゃりょう もくよう、ひる 4コマ漫画(コウイチ、変転、あの日の、何十年、しのはら、有名人、田園、夏山) 著者インタビュー あとがき ────────── ・著者略歴 ────────── man(まん) 1995年生まれ、亥年。覚えている古い記憶はふとんに横になって見たビデオデッキの 7:00 ────────── ・2025年1月、「シリーズ人間」創刊! 基本的に商業デビューしていない様々な立場の書き手を著者に立て、エッセイや小説、詩、短歌、4コマ漫画、画集、写真集とジャンルレスな内容(基本:文+インタビュー)の文庫シリーズを目指します。年3冊ペースで刊行予定。 ・「創刊のことば」 ──シリーズ人間発刊に際して── デヴィッド・フィンチャー監督作品に『SE7EN(セブン)』という映画がある。その作品について考えるとき、豪華な俳優陣や度肝を抜かれるような物語ではなく、あるシーンが思い出される。 ベテラン刑事・サマセット(モーガン・フリーマン)が新米刑事・ミルズ(ブラッド・ピット)の妻からディナーに誘われ、3人で食事をともにするシーンである。 突然、3匹の大型犬が吠え、地響きが起こり家は大きく揺れる。3人は一瞬黙り、サマセットが失礼といい大笑いをはじめると、それに釣られミルズ夫妻も笑いはじめる。不動産屋に騙されて、地下鉄が走るたびに揺れる家を契約したことを恥ずかしそうにミルズが白状する場面だ。 物語の伏線になる大事なシーンというわけではない。しかしそのシーンはある人にとって『セブン』のすべてである。 本シリーズでは、いつもなら見落とされてしまうような瑣末なことを描くことに主眼を置いている。著者の人生をわかりやすく紹介するようなものではない。ただ、どんな人もそれぞれの仕方で世界を見ていて、その断片こそが存在を支えているのではないだろうか。だれもが忘れてしまいそうな断片によって、その人間の姿をありありと浮かばせてみたい。 (2025年1月 新世界編集部)
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ボッティチェリ 疫病の時代の寓話/バリー・ユアグロー
¥792
著者:バリー・ユアグロー 訳者:柴田元幸 発行:ignition gallery 判型:A6判/中綴じ/44ページ 装幀:横山雄(BOOTLEG) 版元からの紹介: 「想像すること」が最も速く、最も深く、この始まりも終わりもない災厄の根をつかむ。そして人々の心に張り巡らされたそれは、我々をどのように揺さぶり、変容するのか。夢は息絶え、あるいは再生するのか。バリー・ユアグローの驚くべき12の寓話は、それらを語り、記録し、証明する。 ――川上未映子 アメリカ在住の作家・バリー・ユアグローが、2020年4月5日から5月11日にかけて、都市封鎖状態の続くニューヨークから柴田元幸に送った12の超短篇を、1冊の小さな本にしました。 -- 「世界」が故障した「世界」へと大勢の人が強制的に連れてこられた時代に、ここに集められた寓話は、大きな救いになるだろう。驚くべき着想と空想の数々は、それがどんなに残酷でも、私の狂気の核心に触れ、癒し、救った。作家の「空想」の強烈な可能性に恍惚とした。恐怖は空想の力により、新しい世界と言葉で再構築された。この恐ろしい時代に、この物語が生まれ、変化した世界に刻まれたことに、奇跡を見たような気持ちでいる。 ――村田沙耶香 --- “ある時期にひとつの場所を包んでいた、だがほかの多くの場所でもある程度共有されていた特殊な(と思いたい)空気を封じ込めた小さな本。”(柴田元幸「この本について」より) 「正気を保つため」に書かれた疫病の時代の寓話。 《収録作品》 ボッティチェリ / ピクニック / 鯨 / 影 / スプーン / 猿たち / 戸口 / サマーハウス / 風に吹かれて / 岩間の水たまり / 夢 / 書く この本について(柴田元幸)
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【サイン本】天国ではなく、どこかよそで/レベッカ・ブラウン
¥2,200
著者:レベッカ・ブラウン 訳者:柴田元幸 装画: 金井冬樹 デザイン:横山雄 発行:ignition gallery 発行所:twililight 判型: B6変形/上製本/136ページ ISBN:978-4-9912851-8-9 訳者、柴田元幸さんのサイン入り! 版元からの紹介: 『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』などで知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの最新物語集『天国ではなく、どこかよそで』。 「三匹の子ぶた」を踏まえた「豚たち」、「赤ずきんちゃん」を踏まえた「おばあさまの家に」をはじめ、ピノキオ、ヘンゼルとグレーテルなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターを、レベッカ流に夢見なおした物語が並びます。 語り直しの切り口は作品によってさまざまですが、単一のメッセージに還元できない、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづける作家の神髄が伝わってくる、豊かな「サイクル」が出来上がっています。 訳者の柴田元幸さんが「この人の文章は言葉というよりほとんど呪文のようなリズムを持っている」と評するレベッカ・ブラウン独自の文体によって、 読者を暗闇から光へ、厳しさから愛へ、私たちが今いる場所から私たちが行くべき場所へと導きます。 “ここにあるのは「めでたし、めでたし」の死角を辛辣なユーモアで照らしてみせる物語。 そうやってわたしたちが見えないふり、聞こえないふり、わからないふりをしてきた暴力の轍を、怒りでもって洗い出し、祈りをこめて語り直すのだ。” 倉本さおり “そこではみんな、ほんものの肉体を得る。 痛みに苛まれ、声は揺らぎ、歪み、叫ぶ。 闇の中、寓話は変わり果てた姿になって 赦しを求め、こちらを見つめる。 どうしてこんなに、愛おしいのだろう。” 大崎清夏
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【サイン本】ゼペット/レベッカ・ブラウン
¥1,760
著者:レベッカ・ブラウン 訳者:柴田元幸 絵:カナイフユキ 装幀:横山雄(BOOTLEG) 発行:ignition gallery 発行所:twililight 判型: w148×h196mm/並製本+両雁だれ/28ページ 訳者、柴田元幸さんのサイン入り! 版元からの紹介: 『体の贈り物』『若かった日々』『家庭の医学』などで知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの小品「ゼペット」を、柴田元幸の翻訳、カナイフユキの絵によって、絵本にしました。レベッカ・ブラウンが夢見なおした『ピノキオ』です。 人間になんかなりたくない、命なんかほしくないと言い続けるピノキオを抱えた老人のお話。 その悲しみと優しさに、カナイフユキの色彩が寄り添います。 不器用で、弱く、失敗して負けていく人、周縁化されていく人のために、そういう人たちが孤独ではないんだと思えるように描いているカナイフユキと、レベッカ・ブラウンによる、「祈り」にも似た絵本が誕生しました。 レベッカ・ブラウンの「ゼペット」(“Geppetto”)は、2018年に刊行されたNot Heaven, Somewhere Else: A Cycle of Stories(『天国ではなく、どこか別の場所 物語集』、Tarpaulin Sky Press刊、邦訳なし)に収められている。この物語集には、「三匹の子ぶた」を踏まえた“Pigs”、「赤ずきんちゃん」を踏まえた“To Grandmother’s House”をはじめ、ヘンゼルとグレーテル、ハンプティ・ダンプティなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターがレベッカ流に語りなおされた物語が並んでいる。語り直しの切り口は作品によってさまざまで、単一のメッセージに還元できない、豊かな「サイクル」が出来上がっている。100ページに満たない小著だが、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづけるレズビアン作家レベッカ・ブラウンの神髄が伝わってくる。 「ゼペット」は厳しさと優しさが並存していて、中でもとりわけ味わい深い。 (柴田元幸)