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誰にも見えない子ども/アンドレア・エリオット、古屋 美登里、齋藤 匠、藤宗 宇多子
¥4,950
著者:アンドレア・エリオット、古屋 美登里、齋藤 匠、藤宗 宇多子 出版社:亜紀書房 判型:704ページ 版元からの紹介: ★2022年・ピュリツァー賞受賞★ 頭脳明晰で運動神経も抜群の少女ダサニは、妹や弟の世話に追われ、自分の時間を持てずにいた。 だが、全寮制のハーシースクールへの転校を機に、貧困の悪循環から抜け出す道が見えはじめる。 一方、家族は形だけの貧困支援制度や機能不全の児童保護システムに翻弄され、崩壊寸前に追い込まれる。 離れて暮らすダサニは、その苦境に何もできない自分を責め、生活が荒れていく。 黒人たちはなぜ貧困に陥り、抜け出せないのか──。 ニューヨークに生きる少女とその一家に10年密着。歴史的・構造的な要因と福祉制度の欠陥を描き出し、貧困の本質に迫る壮大なノンフィクション。 *** ◉オーウェル作品に比肩する名著──「サンデー・タイムズ」 ◉サイクス家の貧困の連鎖は、構造的な人種差別の典型例に思える。彼らのような人たちは、袋小路に追い込まれている。本書はこの事実を、読む者をたじろがせるほど明晰に示している。──「ワシントン・ポスト」 ☆オバマ元大統領 ・2021年のお気に入りの本 ★「ニューヨーク・タイムズ」紙・2021年の10冊 ☆「タイム」誌・2021年のノンフィクション10冊 ★J・アンソニー・ルーカス図書賞ほか多数受賞 *** 【目次】 まえがき プロローグ 第一部 「家は居場所ではない」──2012年から2013年 第二部 サイクス家──1835年から2003年 第三部 ルーツ喪失の心の傷──2003年から2013年 第四部 「その火に焼かれるぞ!」──2013年から2015年 第五部 ダサニの旅立ち──2015年 第六部 「どんな生き方にも耐えられる」──2015年から2016年 第七部 ダサニの道──2016年から2021年 あとがき 訳者あとがき
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今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義/白井聡
¥880
著者:白井聡 出版社:講談社 判型:新書/128ページ 版元からの紹介: 資本という得体の知れない他者が、全地球を、人間の心をも包み込み、圧迫し、窒息させていく。労働力にとどまらず、われわれの感情までも「商品化」される現代社会を、「包摂」という概念をもとに読み解く。 われわれ一人一人が「自分のもの」と信じて疑わない意識、感性、思考のなかにまで、資本主義が浸透し、深化するとはどういうことか――。 【本書のおもな内容】 ●それでも資本主義は終わらない ●働く者が自らの労働の主人でなくなってしまう ●社会は自己内部の矛盾によって変化する ●「富一般=商品」となる資本主義特有の現象 ●商品物神・貨幣物神・資本物神の下の平等 ●資本とは不断で無制限の価値増殖運動 ●自分のための労働と資本家のための労働が区別できない ●「最良の労働者」の誕生――新自由主義段階の包摂 ●「協働」や「共感」も商品となった――受動性の果てに 「イメージ的に述べるならば、資本主義とは一つのシステムであり、それはそのシステムの外にあるものを自己のなかに次々と取り込んでゆく。「外にあるもの」とは、天然資源であったり、より一般的に自然環境であったり、あるいは人間が生きていくうえで取り結ぶ社会的関係であったりする。さらには、単に取り込んだだけでは終わらない。資本は、資本独特の運動=価値増殖に役立てるために、取り込んだ対象をその運動に適したものへと変容させる。取り込まれたものは、資本主義のロジックによって浸透され、変容させられる。資本主義が「深化する」とは、端的にこのことを指している。しかも、その変容=深化がどこまで続けられるのかは、誰にもわからない。資本主義のロジックのなかに、その限度はない」――「はじめに」より ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 100ページで教養をイッキ読み! 現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!! 1:それは、どんな思想なのか(概論) 2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景) 3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用) テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、 「一気に読める教養新書」です! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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呪文の言語学: ルーマニアの魔女に耳をすませて/角悠介
¥2,640
著者:角悠介 出版社:作品社 判型:四六版/256ページ 版元からの紹介: 呪文もことばである。 ルーマニアには古い魔女文化がいまも残っているとされている――。東欧在住20年の言語学者が、魔女大国とも呼ばれるこの地の民間伝承や実体験をひもとき、“呪文の正体”に迫る。不思議でちょっと怖い呪文の世界をめぐる、まったく新しい言語学エッセイ。 ◎附:「言語学者から魔女へのインタビュー」 ◎カヴァー写真:スクリプカリウ落合安奈 * 〈ちちんぷいぷい〉、〈アブラカダブラ〉、〈ビビディ・バビディ・ブー〉……この世はさまざまな「呪文」で溢れている。(…)幼いころの私たちにとって身近なものであった呪文だけれども、そもそもあれは何だろうか。単なる語の羅列に過ぎないのだろうか。(…)本書では、(…)言語学者が「呪文という聖域」に片足を突っ込んで、先人たちの研究を足掛かりにさらに深いアプローチを試みる。――本書より * 【目次】 まえがき 1 魔女 2 魔術 3 呪文 言語学者から魔女へのインタビュー 山田エリーザ あとがき 注/参考文献/図版出典 目次 まえがき 1 魔女 100回ひゃっくりすると、ちぬの/あれから30年/ルーマニア留学/先生は魔女?/留学ないない/吸血鬼/トランシルバニアの呪われた森での儀式/魔女とキリスト教/魔女狩り/魔女の東西/キリスト教の東西/魔女大国ルーマニア/「魔女」と「魔女像」の落とし穴/キリスト教による魔術の禁止/ルーマニア正教会と魔女/魔術師の学校/ルーマニアの魔女 2 魔術 「魔術」の名称/「魔女」の名称/魔術の定義/ルーマニアの魔術/マナの魔術/雨乞いの儀式「パパルダ」/ルーマニア人の魔術におけるロマの役割/魔術の構成要素/魔術の構成要素①魔術の役者たち/魔術の構成要素②魔術行為者の性別/魔術の構成要素③詠唱条件 3 呪文 呪文の継承/魔術書と識字率/呪文の差異/呪文の「理解性」/「理解不能性」の心理/ルーマニアの意味のないことば/口調と復唱/沈黙という呪文/呪文の宛先/魔力発生源/神話的創造物/護符/呪文の効果/ことばと呪文/ことばによる類感魔術/呪文の類型分類/ことばと呪文の境目/呪文の最小単位/ぼくのかんがえたさいきょうのじゅもん 言語学者から魔女へのインタビュー 山田エリーザ あとがき 注/参考文献/図版出典
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シャーマン 霊的世界の探求者/セバスチャン・ボー、コリーヌ・ソンブラン
¥2,970
著者:セバスチャン・ボー、コリーヌ・ソンブラン 訳者:ダコスタ 吉村 花子 出版社:グラフィック社 判型:B5変形/192ページ 版元からの紹介: シャーマンとは誰なのか? 世界各地で彼らと出会った西洋人は、彼らをどう理解してきたのか?気鋭の人類学者セバスチャン・ボーが、フランスの最新の人類学理論と古記録に基づき、シャーマニズムの核心に迫る。
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新版 映画の構造分析/内田樹
¥2,420
著者:内田樹 出版社:晶文社 判型:四六判並製 332頁 版元からの紹介: 映画に隠された驚くべき物語構造を読み解く、 スクリーンから学べる現代思想、精神分析、ジェンダー。 大幅増補の決定版映画論。 物語には構造があり、映画にも構造がある。そして映画の構造を知ることが、人間の欲望の構造を知ることにつながる……。『エイリアン』『大脱走』『裏窓』などハリウッド映画の名作を題材にした映画論にして、ラカンやフーコーなど現代思想の入門テキストとして高い評価を受けた旧版『映画の構造分析』に、『君たちはどう生きるか』『ドライブ・マイ・カー』『怪物』『福田村事件』など、近年の話題作を分析した論考を大幅増補した決定版映画論。〔2003年初版〕 解説=春日武彦(精神科医) 「あらゆる芸術作品は、それについて語られた言葉をも含めてはじめて「作品」として成立していると僕は思っています。僕たちは作品について語ることを通じて、作品にある種の「付加価値」を付与している。(…)だからこそ、美術批評とか文芸批評という分野が存在しているわけです。さまざまな芸術活動の中でも、とりわけ映画は批評の占める割合が多いと僕は思います。(…)集団の創造という点で映画に匹敵するジャンルはありません。」(「あとがき」より)
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新版 就職しないで生きるには/レイモンド・マンゴー
¥2,090
著者:レイモンド・マンゴー 訳者:中山容 出版社:晶文社 判型:四六判並製 232頁 版元からの紹介: 自分のリズムにあわせて働き、好きなことで生計を立てる。 40年以上にわたり若者たちを励ましてきた不朽の名著。 仕事と生き方に悩むすべての人に。 嘘にまみれて生きるのはイヤだ。だが生きていくためにはお金がいる。だから自分の生きるリズムにあわせて労働し、人びとが本当に必要とするものを売って暮らすのだ。天然石鹸をつくる。小さな本屋を開く。その気になれば、シャケ缶だってつくれる。頭とからだは自力で生きぬくために使うのだ。失敗してもへこたれるな。ゼロからはじめる知恵を満載した若者必携のテキスト。〔1981年初版〕 解説=辻山良雄(本屋Title店主)
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能力で人を分けなくなる日/最首悟
¥1,540
著者:最首悟 出版社:創元社 判型:160ページ 版元からの紹介: シリーズ「あいだで考える」 不確かな時代を共に生きていくために必要な 「自ら考える力」 「他者と対話する力」 「遠い世界を想像する力」 を養う多様な視点を提供する、 10代以上すべての人のための人文書のシリーズ。 * 本書は、著者の第4子で重度の知的障害者である星子さんとの暮らしや、津久井やまゆり園事件の犯人「植松青年」との手紙のやりとり、また1977年から通い続けた水俣の地と水俣病などについて、10代の3人の若者を相手に語った記録である。能力主義と優生思想、人とのかかわり、個・自立・責任、差別、脳死、人の生死といのち……などをめぐって話しあい、いのちに価値づけはできるのか、「共に生きる」とはどういうことかを考える。(装画:中井敦子) 【目次】 ※制作中のため、変更の可能性があります。 第1回 頼り頼られるはひとつのこと 「3人の自分」と星子さんの誕生 星子さんとの暮らし 頼り頼られるはひとつのこと コラム 「聴(ゆる)す」=心をひらいて聞く 第2回 私の弱さと能力主義 「弱さ」と能力 やまゆり園事件の植松青年とのかかわり 能力で人の生死を決められるのか 第3回 開いた世界と閉じた世界 社会の中の優生思想 自立と自己責任 「個人」の西欧と「場」の日本 コラム 「いる」と「ある」の違い 開いた世界と閉じた世界 コラム 日本語の中の成り行き主義 いのちの中の死と生 第4回 いのちと価値のあいだ 差別と水俣病 石牟礼道子が伝えた水俣 いのちと価値のあいだ
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世界のほうがおもしろすぎた ゴースト・イン・ザ・ブックス/松岡正剛
¥2,090
著者:松岡正剛 出版社:晶文社 判型:四六判・並製/404ページ 版元からの紹介: 正体不明という生き方 「ぼくが目指したことは、すべて編集です」 異能の編集工学者が謎に包まれたその生涯と秘策を一気に語り明かす。 ロングインタビューによる、最初で最後の「自伝」。 「若者の教祖」「知の巨人」「博覧強記」──。 あらゆるレッテルを嫌い、「生涯一編集者」であることに徹した松岡正剛。その歩みは理科少年の時代[ころ]に抱いた自己同一性への疑問に始まっていた。十数時間におよぶ、生前最後にして初の自伝インタビューを完全再録。また付録として、未発表稿及び年譜を掲載。 【本文より】 「遅ればせ」ということを、わりに早くから自覚していたんです。あえて遅滞する、遅延するということです。ふつう遅れるというのは、とろいこと、才能が発揮しにくいとか、コミュニケーション能力がないということです。でもぼくは「遅ればせ」がいいんだと思ってやってきた。こういう感覚は若いころからありました。おそらくぼくが編集に関心をもったことにも関係していたんだろうと思います。 目次: 第1章……正体不明のゴースト ■自己同一性がわからない ■科学のデーモンと精神のゴースト ■「粗より」という方法 ――断章1:『擬――「世」あるいは別様の可能性』より第二綴「きのふの空」(二〇一七) 第2章……「世界」のおもしろみとメディアへの憧れ ■殺されるくらいの気概をもて ■京都の「すい」、東京の「いき」 ■理科少年の目覚めと抵抗 ■「自分」の確立から遠のくということ ■新聞づくりと印刷技術に夢中になる ■革命的マルクス主義の前線で ――断章2:『概念工事』より「極上の迷宮」(一九八〇) 第3章……アルス・コンビナトリア事始め ■「ハイスクール・ライフ」編集長になる ■稲垣足穂に翻弄される ■オブジェマガジン「遊」の誕生 ■杉浦康平からの宿題 ■誤解の「可能性」をあえて入れておく ■超絶アルス・コンビナトリアとそのコツ ――断章3:「歳視記・2」(一九七九) 第4章……すべてはアナロジーのために ■人が人を、噂が噂を連れてくる ■なぜ本に孔を空けたのか ■科学と精神と機械はまぜこぜに ――断章4:『フラジャイル』Ⅲ「身体から場所へ」2「振舞の場所」(一九九五) 第5章……編集工学の胎動と脈動 ■科学万博のパビリオンをつくる ■世界同時年表『情報の歴史』 ■複雑系・割れ目・ノンリニア ■編集工学は「知」を自由にする技術 ■企業人たちとの意外な交流 ■トークは「装置」から考える ■高気圧先生の大学奮闘記 ――断章5:ハイパーカードに出会うまでに頭の中で電話が鳴っている (「HyperLib」一九八七年第六号) 第6章……編集の国から生まれた学校 ■九〇年代日本に対する危機感 ■早すぎた「編集の国」構想 ■「たくさんの自分」から始まる学校 ■イメージメントとマネージメント ――断章6:「一到半巡通信」(二〇〇〇年十二月号)より「埒外案内」 第7章……歴史の網目のなかで千夜千冊を紡ぐ ■千夜千冊は書評ではない ■千夜千冊達成と胃癌の顛末 ■他者と自己の問題を再編集する ■千夜千冊を新たなエディションにする ■本棚の文脈が読める空間 ――断章7: 『學鐙』(二〇二四年九月)より「編集工学的読書術」 第8章……虚に居て実を行う ■写真家たちのアート・ジャパネスク ■方法日本を奮い立たせる ■近江に思考の拠点を移してみると ──断章8:『日本数寄』より「主客の遊び」(二〇〇〇) ◆松岡正剛年譜 ◆あとがきに代えて 著者プロフィール: 松岡正剛(まつおか・せいごう) 編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。生命・歴史・文化にひそむ仕組みを「編集」の観点でとらえ、方法的に用いて新たな仮説や問いを創造する「編集工学」を確立。おもな著書は『知の編集工学』『知の編集術』『花鳥風月の科学』『17歳のための世界と日本の見方』『日本流』『日本文化の核心』ほか多数。2000年よりインターネット上でブックナビゲーションサイト「千夜千冊」を連載、2018年より文庫シリーズ「千夜千冊エディション」30冊刊行。2024年8月逝去。
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シシになる。 遠野異界探訪記/富川 岳
¥2,530
著者:富川 岳 出版社:亜紀書房 判型:四六判/348頁 版元からの紹介: 妖怪、山人、天狗、ザシキワラシ… この世ならざる気配に満ちた遠野には、 いまも見えないものたちの世界がある。 その扉をひらいたのが〝シシ踊り〟だった。 *** 東京の広告代理店にいた1人の若者は、 『遠野物語』を10ページで挫折しながらも 導かれるようにして遠野に移住した。 その地では、人も動物も幽霊も区別しない。 遠野に息づく文化と物語に慄く「よそ者」は、 やがてそれらに魅了され、その深みに引きずり込まれていく。 そして、100年以上前に民俗学者・柳田国男を戦慄させた 「張山しし踊り」との運命的な出会い。 牛の角、龍の鼻、鹿の目を持つ霊獣シシ。 その装束をかぶって舞うシシ踊り。 それは苦難の歴史を抱える地で華ひらいた「鎮魂のための芸能」であった。 シシの担い手となって踊る日々が、 解き明かしていく『遠野物語』に秘められた謎。 いつしか周囲に生まれる、奇跡のような出会いと物語—— 民俗学をベースとした様々な創作活動や文化振興を行い、 いま各界から注目を集める若きプロデューサーが 10年にわたるリサーチと実践、 そして研究者との協業をもとに熱量を込めて書き下ろした、 渾身のデビュー作。
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ムラブリ 文字も暦も持たない狩猟採集民から言語学者が教わったこと/伊藤雄馬
¥1,980
著者:伊藤雄馬 装丁:山田和寛+佐々木英子(nipponia) イラストレーション:黒崎威一郎 出版社:集英社インターナショナル 判型:四六判・ソフトカバー/256ページ 版元からの紹介: あなたの「ふつう」をひっくり返す 異端の言語学ノンフィクション 就活から逃げ出した言語学徒の青年は、美しい言語を話す少数民族・ムラブリと出会った。文字のないムラブリ語を研究し、自由を愛するムラブリと暮らすうち、日本で培った常識は剥がれ、身体感覚までもが変わっていく……。 言葉とはなにか? そして幸福、自由とはなにか? ムラブリ語研究をとおしてたどり着いた答えとは……? 【ムラブリとは】 タイやラオスの山岳地帯に暮らす少数民族。人口は500名前後と推測される。 「ムラ」は「人」、「ブリ」は「森」を指すため、「森の人」を意味する。タイ国内では「黄色い葉の精霊」とも呼ばれる。 かつては森のなかで狩猟採集をしながら遊動生活をしていたが、定住化が進んでいる。 ムラブリ語には文字がなく、話者数の減少にともない、消滅の危機にある「危機言語」に指定されている。言語学的に希少な特徴が複数確認されている。 ★高野秀行(ノンフィクション作家) 「不思議な本。ただ面白いだけでなく、別の世界にトリップしたような感覚に襲われる。」 ★川添愛(作家・言語学者) 「生きる力を削がれた現代人のために、言語学者に何ができるのか。その答えがここにある。」
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西洋哲学の10冊/左近司祥子
¥1,056
著者:左近司祥子 出版社:岩波書店 判型:新書/232ページ 版元からの紹介: ギリシャから現代まで、西洋哲学をかけあしで味わってみよう。プラトン、アリストテレス、アウグスティヌス、デカルト、カント、ルソー、ニーチェ、ベルクソン、ハイデガー、ラッセルの著作から10代の感性で触れておきたい著作について、その入り口を解説。もっと読んでみたくなる1冊がきっと見つかる哲学入門。
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人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」/篠田謙一
¥1,056
著者:篠田謙一 出版社:中公新書 判型:新書判/320ページ 版元からの紹介: 古人骨に残されたDNAを解読し、ゲノム(遺伝情報)を手がかりに人類の足跡を辿る古代DNA研究。近年、分析技術の向上によって飛躍的に進展を遂げている。30万年前にアフリカで誕生したホモ・サピエンスは、どのように全世界に広がったのか。旧人であるネアンデルタール人やデニソワ人との血のつながりはあるのか。アジア集団の遺伝的多様性の理由とは――。人類学の第一人者が、最新の研究成果から起源の謎を解き明かす。
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胎児の世界 人類の生命記憶/三木成夫
¥770
著者:三木成夫 出版社:中公新書 判型:新書判/240ページ 版元からの紹介: 赤ん坊が、突然、何かに怯えて泣き出したり、何かを思い出したようににっこり笑ったりする。母の胎内で見残した夢の名残りを見ているのだという。私たちは、かつて胎児であった十月十日のあいだ羊水にどっぷり漬かり、子宮壁に響く母の血潮のざわめき、心臓の鼓動のなかで、劇的な変身をとげたが、この変身劇は、太古の海に誕生した生命の進化の悠久の流れを再演する。それは劫初いらいの生命記憶の再現といえるものであろう。
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眼がスクリーンになるとき ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』/福尾 匠
¥1,430
著者:福尾 匠 出版社:河出文庫/河出書房新社 判型:文庫判/368ページ 版元からの紹介: 映画の新しさはいかにして哲学の新しさへと跳ね返るのか。『シネマ』の緻密かつ明快な読解からドゥルーズ哲学の創造の原理が明かされる。『非美学』の福尾匠のデビュー作、ついに文庫化。 著者プロフィール: 福尾 匠 (フクオ タクミ) 1992年生まれ。哲学者、批評家。博士(学術)。著書に『非美学』、『眼がスクリーンになるとき』、『日記〈私家版〉』、共訳書にアンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』がある。
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フーコーの風向き 近代国家の系譜学/重田園江
¥3,520
著者:重田園江 出版社:青土社 判型:四六判/416ページ 版元からの紹介: 現代思想の風向計。 生命、健康、安全などを理由として立ち現れ、その相貌を自在に変えてきた近代国家。人びとの生や死に巧みに介入し、私たちの思考を知らぬ間に取り囲む権力の所作を、フーコーはいかに描き出したのか。知と権力、認識と実践、法と規律、リスク、戦争の政治言説、統治性、新自由主義。主要な諸概念を手がかりに、歴史や論理に深く分け入り、時代の逆風に立ち向かった思想家の軌跡を追う。 目次: 序章 風向きを読む I 権力分析の方法 第1章 ミシェル・フーコーにおける知と権力 はじめに 1 社会学とフーコー 2 フーコーと「知識社会学」 3 「知」から権力へ おわりに コラム1 認識と実践 第2章 「生のポリティクス」の新しい権利 はじめに 1 生政治――対象として「人口」 2 正常な社会と正常な個人 3 権力の法モデル批判 4 ノルムとしての法 5 生-権力の時代における死の問題 6 正常/異常の区別と自己決定 おわりに コラム2 生権力 第3章 近代権力の複層性 ミシェル・フーコー『監獄の誕生』の歴史像 はじめに 1 身体刑から刑罰改革へ――法の再調整 2 規律権力――新たな秩序問題への応答 3 法的権力と規律権力――近代権力の複層性 コラム3 ベンサム問題 第4章 一九世紀の社会統制における「社会防衛」と「リスク」 はじめに 1 「殺人偏狭」 2 「変質」「社会防衛」「リスク」 3 統計学的秩序 おわりに コラム4 福祉国家の危機 II 近代国家の系譜学 第5章 戦争としての政治 一九七六年講義 はじめに 1 「恐怖する人」の法言説 2 「戦う人」の歴史言説 3 「交換する人」の経済言説 4 商業、文明と政治 5 情念を飼いならす コラム5 徳vs欲望 第6章 戦争・法・社会構造 古来の国制と『フランコガリア』をめぐって はじめに 1 政治思想史の流行と七六年講義 2 古来の国制の「フランス的」序曲 3 コモンローと議会 4 封建制と庶民院 5 オトマンのフランス史 6 法の正統性から種族の戦争へ 7 ガリア、ローマ、フランク 8 ポーコックの歴史とフーコーの歴史 コラム6 政治思想史とフーコー 第7章 ミシェル・フーコーの統治性研究 はじめに 1 統治性研究の前史――『監獄の誕生』から『知への意志』へ 2 統治性研究の概要 3 国家理性とポリス 4 自由主義 5 法-規律-統治――近代権力の多層性 おわりに コラム7 フーコ講義の資料 第8章 戦争から統治へ コレージュ・ド・フランス講義 はじめに 1 七六年講義――講義プランの推測 2 誰のための権力分析か 3 諸人種の戦争と闘争 4 戦争の言説からの離脱 5 生権力と自由主義の統治 6 自由主義における個と全体 7 自由主義が不問に付すもの コラム8 七〇年代後半のフーコー III 新自由主義の統治性 第9章 自由主義の統治能力 ミシェル・フーコーのオルド自由主義論 はじめに 1 統治性研究におけるオルド自由主義の位置づけ 2 統治性研究の視角――政治学批判 3 オルド自由主義概観 4 オルド派のラディカルさ――経済による国家の基礎づけ 5 計画化の時代 6 独占と大衆化 7 オルド派の経済政策 8 オルド派の社会政策 9 オルド派の法治国家論 10 オルド自由主義における政治 おわりに 第10章 「その後」のネオリベラリズム はじめに 1 オルド自由主義と戦中戦後の連続説 2 民主主義の統治能力 3 アメリカ新自由主義 4 フーコー以降の新自由主義論 おわりに コラム9 新自由主義とフーコー あとがき 註 参考文献 初出一覧 著者プロフィール: 重田園江(おもだ・そのえ) 1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。著書に、『フーコーの穴――統計学と統治の現在』(木鐸社)、『ミシェル・フーコー――近代を裏から読む』『社会契約論――ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ』(ちくま新書)、『連帯の哲学――フランス社会連帯主義』『統治の抗争史――フーコー講義1978-79』(勁草書房)、『隔たりと政治――統治と連帯の思想』(青土社)、訳書にイアン・ハッキング『偶然を飼いならす――統計学と第二次科学革命』(共訳、木鐸社)など。
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裏庭のまぼろし 家族と戦争をめぐる旅/石井美保
¥1,980
著者:石井美保 絵:イシイ アツコ 出版社:亜紀書房 判型:四六判/並製/260ページ 版元からの紹介: 【推薦】武田砂鉄さん(ライター) 歴史は常に今を問いかけてくる。 聞かれるのを待っている声は、 誰のもとにも在るのかもしれない。 戦地から届いた当時の手紙は、想像もつかなかった戦時中の暮らしを生き生きといまに甦らせた。 家業を「不急不要」とされ、祖父は軍事研究の道へ。 大叔父は若き陸軍将校としてアジア各地を転戦し、沖縄へ──。 人類学者が、自身の家族史をひもときながら、その足跡を訪ねて紡ぐ、等身大の〈昭和と戦争〉。 目次: 01 裏山のほとりで 02 蔵の中 03 科学と動員 04 水底の魚 05 縁側の椿 06 絹糸のひかり 07 オルガンの歌 08 埠頭にて 09 遠い島影 10 月と海鳴り 11 物語の外で Ⅰ 12 物語の外で Ⅱ 13 竹林と夕星 14 雲の行方 あとがき 著者紹介: 石井 美保(いしい・みほ) 文化人類学者。これまでタンザニア、ガーナ、インドで精霊祭祀や環境運動についての調査を行ってきた。2020年の夏、アジア・太平洋戦争で戦死した大叔父の遺した手紙を手にしたことから、戦争と家族史について調べ始める。主な著書に『環世界の人類学』(京都大学学術出版会)、『めぐりながれるものの人類学』、『たまふりの人類学』(ともに青土社)、『遠い声をさがして』(岩波書店)などがある。現在、京都大学人文科学研究所教授。このエッセイの挿画を描いている銅版画家のイシイアツコとは実の姉妹。 石井美保研究室:https://www.mihoishiianthropology.com/ イシイ アツコ 銅版画家。フランス・ヴァンセンヌ市在住。1995年に渡仏、銅版画を始める。以降モントルイユ市、パリ20区、ヴァンセンヌ市などで銅版画制作を行う。1996年より、フランス、日本、メキシコ、香港、スウェーデン、ベルギー、アメリカなどでグループ展、1999年より、フランス、日本、ドイツ、オランダ、ベルギー、ニューカレドニア、台湾などで個展を開催する。フランス女性誌「BIBA」のイラストレーション、j'ai lu出版、l’ecole de loisir出版の文庫本カバー、ブランドisabel marantのTシャツイメージ、百貨店bon marche のグッズなど、コラボレーションも多数。
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エロティシズム/ジョルジュ・バタイユ
¥1,760
著者:ジョルジュ・バタイユ 訳者:酒井健 出版社:ちくま学芸文庫/筑摩書房 判型:文庫判/496ページ 版元からの紹介: 人間存在の根源的な謎を、鋭角で明晰な論理で解き明かす、バタイユ思想の核心。禁忌とは、侵犯とは何か? 待望久しかった新訳決定版。 労働の発生と組織化、欲望の無制限な発露に対する禁止の体系の成立、そして死をめぐる禁忌…。エロティシズムの衝動は、それらを侵犯して、至高の生へ行き着く。人間が自己の存続を欲している限り、禁止はなくならない。しかしまた人間は、生命の過剰を抑え難く内に抱えてもいる。禁止と侵犯の終りなき相克にバタイユは人間の本質を見ていった。内的体験と普遍経済論の長い思考の渦から生まれ、1957年に刊行された本書によって、エロティシズムは最初にして決定的な光を当てられる。 目次: 第1部 禁止と侵犯(内的体験におけるエロティシズム 死に関係した禁止 生殖に関係した禁止 生殖と死の類縁性 侵犯 ほか) 第2部 エロティシズムに関する諸論文(キンゼイ報告、悪党と労働 サドの至高者 サドと正常な人間 近親婚の謎 神秘主義と肉欲 ほか 著者プロフィール: ジョルジュ・バタイユ( ばたいゆ,じょるじゅ ) 1897-1962年。フランスの思想家。大戦前から戦後にかけて、文学・思想・芸術・宗教学・政治等広範な領域で批評活動を行い、現代に至るまで大きな影響を与えつづけている。思想書:『エロティシズム』『無神学大全』『至高性』他。小説:『青空』『眼球譚』『マダム・エドワルダ』他。 訳者プロフィール: 酒井健( さかい・たけし ) 一九五四年、東京生まれ。一九七八年東京大学仏文科卒、同大学大学院進学。パリ大学でバタイユ論により博士号取得。現在、法政大学文学部教授。専門は、フランス現代思想、西欧文化史。著書に『バタイユ入門』(ちくま新書)、『ゴシックとは何か』(ちくま学芸文庫、サントリー学芸賞)、『バタイユ──聖性の探究者』(人文書院)、『絵画と現代思想』(新書館)、『シュルレアリスム──終わりなき革命』(中公新書)、訳書にバタイユ『エロティシズム』『ランスの大聖堂』『純然たる幸福』『ニーチェ覚書』(以上、ちくま学芸文庫)、『ニーチェについて』(現代思潮社)がある。
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社会契約論 ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズ/重田園江
¥1,056
著者:重田園江 出版社:筑摩書房/ちくま新書 判型:新書判/304ページ 版元からの紹介: はじまりの政治思想講義! この社会の起源には何があったのか。ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読みなおし、近代の中心的思想を今に蘇らせる清冽な入門書! 私たちが暮らすこの社会は、そもそもどんなふうに生まれたのか。社会の形成・維持に不可欠なルールが、現にこうして守られているのはなぜか。政治秩序の正しさは、誰がどう判断すべきなのか。社会契約論とは、そんな素朴な問いを根源まで掘り下げて考える試みである。本書では、ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読み解きながら、この近代の中心的思想に新たな息吹をふき込む。今までにない視点から世界の成り立ちが一望できる、清冽な政治思想入門! 目次: 第1章 ホッブズ(世界の運動論的把握とは 政治社会の再構成とホッブズ問題 約束の力) 第2章 ヒューム(秩序の起源はどこにあるのか コンヴェンションとホッブズ問題 政治社会と文明社会) 第3章 ルソー(ルソーの時代診断―「政治経済論」 ルソーの歴史観―『人間不平等起源論』 契約はどんなものか―『社会契約論』 一般性と特殊性―一般意志について) 第4章 ロールズ(ロールズのヒューム批判 正義の二原理 ルソーとロールズにおける一般性の次元) 著者プロフィール: 重田園江(おもだ・そのえ) 1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。フーコーの思想を、とりわけ「権力」や「統治」といった主題を中心に研究する。また、社会科学・人間科学への統計の応用史を掘り下げ、さらには「連帯」と「正義」をめぐる哲学的探究をつづける。著書に『ミシェル・フーコー──近代を裏から読む』(ちくま新書)、『連帯の哲学Ⅰ──フランス社会連帯主義』(勁草書房、第28回渋沢・クローデル賞)、『フーコーの穴──統計学と統治の現在』(木鐸社)などがある。
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生きることとしてのダイアローグ バフチン対話思想のエッセンス/桑野 隆
¥1,980
著者:桑野 隆 出版社:岩波書店 判型:B6・並製/184ページ 版元からの紹介: 教育や精神医療の現場で近年注目される、バフチンの〈対話〉思想をわかりやすく解説。 二〇世紀ロシアの思想家ミハイル・バフチンによる〈対話〉の思想が、近年、教育や精神医療の現場で注目されている。単なる話し合いではない、人を決めつけない、つねに未完成の関係性にひらかれた対話とは何か。「複数の対等な意識」「心に染み入る言葉」など、バフチン自身のテクストを紹介しながら、ポイントをわかりやすく解説する。 目次: はじめに Ⅰ 対話的人間 1 「わたしはひとりで生きている」という幻想 2 ひとは永遠に未完であり、決定づけられない 3 ポリフォニー――自立した人格どうしの対等な対話 4 気をゆるめることなくむすびつきながらも、距離を保つ 5 応答がないことほど、おそろしいことはない Ⅱ 内なる対話 6 モノローグが対話的なこともある 7 意識は対話の過程で生まれる 8 真理も対話のなかから生まれる 9 他者がいて、わたしがいる 10 相互が変化し豊饒化する闘争 Ⅲ 相互作用のなかのことば 11 言外の意味 12 言語のなかでは、さまざまなことばが対話をしている 補 沈黙 おわりに 注 主要文献 著者略歴: 桑野 隆(くわの・たかし) 1947年生まれ。東京外国語大学大学院(スラヴ系言語)修了。元早稲田大学教授。専攻はロシア文化・思想。主な著書に、『民衆文化の記号学』(東海大学出版会)、『未完のポリフォニー』(未來社)、『夢みる権利』(東京大学出版会)、『バフチン新版』(岩波書店)、『バフチンと全体主義』(東京大学出版会)、『危機の時代のポリフォニー』(水声社)、『20世紀ロシア思想史』(岩波現代全書)、『増補バフチン』(平凡社ライブラリー)、『言語学のアヴァンギャルド』(水声社)など。主な訳書に、バフチン『マルクス主義と言語哲学 改訳版』(未來社)、『バフチン言語論入門』(共訳、せりか書房)、バフチン『ドストエフスキーの創作の問題』(平凡社ライブラリー)、トロツキイ『文学と革命』(岩波文庫)、『ヤコブソン・セレクション』(共訳、平凡社ライブラリー)、オリガ・ブレニナ=ペトロヴァ『文化空間のなかのサーカス』(白水社)、アンナ・ラーツィス『赤いナデシコ』(水声社)など。
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フッサールの遺稿 ナチから現象学を守った神父/トーン・ホルステン
¥3,850
『フッサールの遺稿 ナチから現象学を守った神父』 著者:トーン・ホルステン 訳者:赤坂桃子 出版社:左右社 判型:四六判 上製 336ページ 版元からの紹介: ナチ台頭によって、フッサールの自筆原稿が葬り去られようとしていた。危機を察知した神父ヘルマン・レオ・ファン・ブレダは、遺稿を国外に持ち出そうと計画する。 刻一刻と変わる状況、財政難、収容所に収監されていく仲間たち……度重なる出来事に見舞われながらも、ファン・ブレダたちがルーヴェンのフッサール文庫を設立・発展させるまでを描く。 フッサールの妻や弟子たち、ハイデガー、サルトル、メルロ=ポンティ、レヴィナスらとの関係も垣間見える哲学ノンフィクション。
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機械状エロス 日本へのまなざし/フェリックス・ガタリ
¥3,740
『機械状エロス 日本へのまなざし』 著者:フェリックス・ガタリ 編者:ギャリー・ジェノスコ/ジェイ・ヘトリック 訳者:杉村昌昭/村澤真保呂 出版社:河出書房新社 判型:四六判/242頁 版元からの紹介: 日本に深く魅了され、じつに8度来日したフェリックス・ガタリ。現代日本の芸術家たちとの出会いと対話は、その思想に何をもたらしたのか――。ガタリの日本をめぐるテクストを精選・読解。 日本に深く魅了された稀代の思想家による日本社会のスキゾ分析―― 誰も気づかなかった日本がここにある。 田中泯、田原桂一、今井俊満、高松伸、草間彌生…… 日本の芸術家たちとの出会いと対話は、何をもたらしたのか? 田原桂一『顔貌』よりガタリの肖像写真掲載! 粉川哲夫の導入的インタビュー、欧米の代表的ガタリ研究者による秀逸な解説も 【目次】 Ⅰ フェリックス・ガタリの日本論 誇らしげな東京 粉川哲夫によるインタビュー──〈トランスローカル〉をめぐって 舞踏 田中泯との対話──身体の動的編成をめぐって 田原桂一の顔貌機械 田原桂一の〈未視感〉 〈カオスモーズ〉の画家、今井俊満 草間彌生の〈豊かな情動〉 高松伸の〈建築機械〉 高松伸との対話──特異化とスタイル エコゾフィーの実践と主体的都市の復興 Ⅱ ガタリにとって日本とは何か 情動的転移と日本の現代アート(ギャリー・ジェノスコ) 批判的ノマディズム?──日本におけるフェリックス・ガタリ(ジェイ・ヘトリック) 訳者解説 ガタリの「日本論」について(杉村昌昭) 編者の二論文について(村澤真保呂)
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クラクフ・ゲットーの薬局/タデウシュ・パンキェヴィチ
¥2,640
『クラクフ・ゲットーの薬局』 著者:タデウシュ・パンキェヴィチ 訳者:田村和子 出版社:大月書店 判型:四六・256ページ 版元からの紹介: 1941年3月から43年12月まで設置されたクラクフ・ゲットー。その地で薬局を営むポーランド人の著者は、退去命令に従わず居座り、ユダヤ人への支援者、ナチの暴虐の記録者として2年半を過ごす。本書はその克明な回想録である。
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勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版/千葉雅也
¥858
著者:千葉雅也 出版社:文藝春秋/文春文庫 判型:文庫判/256ページ 版元からの紹介: なぜひとは勉強するのか 勉強ができるようになるためには、変身が必要だ。 勉強とは、かつての自分を失うことである。 深い勉強とは、恐るべき変身に身を投じることであり、 それは恐るべき快楽に身を浸すことである。 そして何か新しい生き方を求めるときが、 勉強に取り組む最高のチャンスとなる。 日本の思想界をリードする気鋭の哲学者が、 独学で勉強するための方法論を追究した本格的勉強論! 文庫本書き下ろしの「補章」が加わった完全版。
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戦争と農業/藤原辰史
¥792
『戦争と農業』 著者:藤原辰史 出版社:集英社インターナショナル 判型:新書判 208ページ 版元からの紹介: 二十世紀以降の戦争や政治が変質している根っこには、効率を重視した食の仕組み、それを支える農業の仕組みがあった! 農業技術の発展は、戦争のあり方をも変えた。トラクターは戦車に、化学肥料は火薬に。逆に毒ガスは平和利用の名のもと、農薬に転用される。本来、人間の食を豊かにするはずのテクノロジーの発展が、現実には人々の争いを加速させ、飽食と飢餓が共存する不条理な世界を生み出している。この状況を変えるために、わたしたちにできることを考える。
