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まちは暮らしでつくられる 神山に移り住んだ彼女たち/杉本恭子
¥2,200
著者:杉本恭子 出版社:晶文社 判型:四六判並製/380頁ページ 版元からの紹介: Life(活力、生命、生活、人生)の積み重ねによって風景が生まれている。それを再認識させてくれる本でした。 ──山崎亮(コミュニティ・デザイナー) 「この風景のなかに見えるほぼすべて、いつか誰かが手を使った仕事」── 清流・鮎喰川が流れる山あいのまち・徳島県神山町。このまちに10年近く通う著者と移住・Uターンした女性たちによるインタビューで編まれた「神山の生活史」。神山で暮らす彼女たちは、自らの手で自然と人間の関係をしなやかに結び直していく。また、彼女たちの日常のささやかな言葉は、「地方創生」「まちづくり」という大きな言葉を解きほぐす力がある。「まちは一人ひとりの暮らしでつくられている」というシンプルな事実に気づいたとき、誰もが自分の人生と暮らしを慈しみたくなる。 “インタビューをした女性たちは、一人ひとりの人生のなりゆきで神山に辿り着いていて、移り住んだ理由は一通りではありません。でも、ここに引き寄せられた根っこの部分は、どこか通じ合うところがあるようにも感じていました。(…)彼女たちがそれぞれの言葉で語る神山に耳を傾けるうちに、また神山の人たちとのつきあいが増えるにつれて、自分自身のあり方や暮らしについても問い直されていきました。”(「はじめに」より) 目次: はじめに 第一章 川を背骨にしたまち 第二章 山と人の暮らしをつなぐ 第三章 関係性をかきまぜるアート 第四章 神山の人たちに受け入れられて 第五章 「食べる」を真ん中に暮らす 第六章 育てるではなく、育つ場をつくる 第七章 まちのコモンズとなる場所 おわりに──一人ひとりの人生がこのまちをつくっていく 著者略歴: 杉本恭子(すぎもと・きょうこ) 大阪生まれ。同志社大学大学院文学研究科新聞学専攻修了。2009年より、京都を拠点にフリーランスのライターとして活動している。アジールになりうる空間、自治的な場に関心をもち、大学、寺院、NPO法人、中山間地域などをフィールドにインタビュー・取材を重ねている。著書に『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』(フィルムアート社)がある。
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科学メガネ読本/池内了
¥1,870
SOLD OUT
著者:池内了 出版社:アノニマ・スタジオ 判型:ソフトカバー/320ページ 版元からの紹介: 宇宙物理学者・池内了が日常を科学的な視点で綴る 幅広い世代に向けて科学に関する多くの書籍を執筆してきた池内了さん。本書は、雑誌「BIG ISSUE」で連載をしている「池内了の市民科学メガネ」の連載100回を記念して80篇に再構成した科学エッセイ集です。 日常を科学的な視点で見て考えることの楽しさをコンパクトに、明快、痛快に伝え、科学の目で暮らしを見てみることで面白さや意外な視点を発見できる内容です。 「ビッグイシュー日本版」の人気連載「市民科学メガネ」を書籍化した全80篇の科学エッセイ。 誰かに話したくなる目からウロコのお話しが満載です。 目次: まえがき ◆1章 身体と脳の不思議 1 塩、その知られざる不思議な作用 2 熱中症と低体温症 3 涙は脳をリセットする 4 寒い朝、健やかな眠りのために 5 「時間栄養学」のすすめ 6 血圧と呼吸のリズムが同調するとき 7 「旨いものは別腹」って本当? 8 その美しさに感動する腸内フローラ 9 人の心を惹きつける香りの効能 人工的香りで化学物質過敏症 10 ガムを噛む効用 11 第三の脳、皮膚感覚 12 薄毛と抜け毛が気になっても 13 難聴は認知症を昂進する? 14 ほんわか、ほっこり入浴剤 15 笑いの効用と人間関係の調節 16 塗り絵が流行っているのはなぜ? 17 免疫力って、なに? 18 写真を見る視線にも東洋と西洋の文化の差 19 絵画における右と左 20 プラシーボ効果とノーシーボ効果 21 表情は遺伝する? ◆2章 動物と虫、生態系の謎 22 生物世界のシンクロ現象 23 働きアリの七割は怠け者 24 都会の小鳥が早口になっている? 25 異性を前にすると緊張する鳥 26 失恋したハエのやけ酒 27 モルフォチョウの神秘の輝き 28 色のマジック。驚くべきヤリイカの能力 29 ハサミムシの究極の子育て 30 ゴキブリの愛すべき側面 31 魚に多く含まれる、EPAとDHAの効能 32 霜降り牛と筋肉牛 33 シマウマの縞模様 吸血昆虫との攻防の証し 34 蚊が持つ驚異の能力 35 たくましい、海を渡るチョウ 36 数を数える動物 37 道具を使うイルカ 38 海の酸性化とクジラの受難 39 歌うクジラ 40 春先、三つの出合いの危機 ◆3章 植物と遺伝子とウイルス 41 野菜の鮮度を測る 42 リンゴの皮の輝き 43 バナナの歴史とクローンの弱点 44 古くから珍重されたユズ 45 薬になる身近な雑草 46 花咲か爺さんの灰の謎 47 素敵な花時計 48 町の雑草と田舎の雑草 49 花粉と種子を散布する植物の作戦 50 ゴマの力 51 ダイコンの上手な食べ方 52 香りマツタケ、味シメジ 53 第七の栄養素「フィトケミカル」 54 恐竜が愛したモクレン ◆4章 未来と社会と子どもとの関わり 55 可能性の錯覚 56 叱ることと褒めること 57 近いほど遠い、遠いほど近い 58 寝る子の海馬はよく育つ 59 フィルターバブルと情報の偏り 60 カマキリ占いとすばる占い 61 愛と数学を謳う短歌 62 年をとると時間が経つのが速いわけ 63 ピラミッドは古代の公共事業 64 「三項原理」のすすめ 65 アインシュタインの手紙 66 「女子大生の日」と三人の女性科学者たち 67 「不気味の谷」は乗り越えられるのか 68 日本の科学に未来はあるか 69 オスプレイ=未亡人製造飛行機のわけ ◆5章 月と宇宙と地球の未来 70 緑のオーロラは生命の証 71 貝殻の縞模様が語る地球の歴史 72 宇宙人が地球にやってこないわけ 73 宇宙が四次元であれば 74 夜空はなぜ暗い? 75 番頭さんの無限宇宙論 76 芭蕉は越後で天の川を見たのか? 天文学的芸術鑑賞法(その1)文学編 77 ゴッホの「星月夜」のテクニック 天文学的芸術鑑賞法(その2)絵画編 78 エオルスの竪琴と「もんじゅ」の事故 79 恒星は“核”の世界、惑星は“原子”の世界 80 遥かな宇宙から地球を眺めれば あとがき 著者略歴: 池内了(いけうち さとる) 1944年生まれ。宇宙物理学専攻。京都大学理学部物理学科卒業。同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士(物理学)。名古屋大学及び総合研究大学院大学・名誉教授。著書『物理学と神』(講談社学術文庫)、『疑似科学入門』(岩波新書)、『科学の落し穴』『禁断の科学』(以上、晶文社)、『科学者心得帳』(みすず書房)、『科学の考え方・学び方』(岩波ジュニア新書)、『科学と人間の不協和音』(角川oneテーマ21)、など多数。
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閑な読書人/荻原魚雷
¥1,870
著者:荻原魚雷 出版社:晶文社 判型:四六判上製/256ページ 版元からの紹介: ずっと隠居にあこがれていた。できることなら浮世離れした人間になりたかった── 『古本暮らし』(晶文社)でのデビューから8年。フリー(ライ)ター道の心根を綴る待望のエッセイ集を刊行します。本の本であり、ニートのための本でもあり、そして昭和の文人魂も味わえる、珠玉の一冊。 目次: 第1章 フリーライター 第2章 古本の時間 第3章 魚雷の教養 第4章 男のまんが道 第5章 程よい怠惰 著者略歴: 荻原魚雷(おぎはら・ぎょらい) 1969年三重県生まれ。明治大学文学部中退。在学中から雑誌の編集、書評やエッセイを執筆。『sumus』同人。著書に、『古本暮らし』(晶文社)、『本と怠け者』(筑摩書房)、『書生の処世』『活字と自活』(本の雑誌社)。
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モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語/内田洋子
¥1,980
著者:内田洋子 出版社:方丈社 判型:四六並製・仮フランス装/オールカラー・350ページ 版元からの紹介: モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語 イタリア、トスカーナの山深い村から、 本を担いで旅に出た人たちがいた。 ダンテ、活版印刷、禁断の書、ヘミングウェイ。 本と本屋の原点がそこにある。
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簡素な生き方/シャルル・ヴァグネル
¥1,540
著者:シャルル・ヴァグネル 訳者: 山本知子 出版社:講談社 ページ数:266ページ 版元からの紹介: 100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは?今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。 100年前にフランスで生まれ、アメリカで100万部を突破した「うつくしい道徳」が、よみがえる。 心を正す、簡素な生活とは? 精神の在り方とは? 人との接し方とは? 今こそ読み直したい、心を正し、簡素に生きるための指針。 フランス・シンプル思考の源流。 ○簡素の精神 簡素の本質とは、質素な服、住まい、ほどほどの暮らし、貧乏を指すのではない。 簡素な生活とはシンプルな暮らしではなく、あるがままの自分でいること。 人間の理想は、生活を生活そのものより偉大な宝物に変えること。 ○簡素な言葉 新聞をうのみにするな。記者は相食む蛇であり、仲間内で競争をしている。 事実ではなく利益になることを言う人の、単純化された話を信じてはいけない。 美しい言葉は着飾った奉公人のようなもので、奉公人本来の役目を果たさない。 ○簡素な義務 偉業に挑んで失敗した時ではなく、単純な義務を怠けたとき、人は魂を失う。 破産して「何一つ失うものはない」というときは、手元に残った破片を拾うこと。 窓ガラスが割れた時、犯人が見つかるまで割れたままにしておくのは愚かなこと。 ○簡素な楽しみ 戦場で一瞬、歌を口ずさむ兵士がいるように、困難のさなかにも喜びは見つかる。 喜劇を見て評論する知識人より、大笑いする庶民のほうが、楽しむことの達人。 悲しむ人に合わせて悲しい顔を作るより、その人が一粒の楽しみを見つける手伝いをせよ。 ・・・このほか、思想、欲求、ビジネス、人間関係、家庭、センスについて、いかに簡素であるべきかを提示。 *** 本書は著者が結婚式でしたスピーチがもととなっている。話に感動した列席者が出版社に勤めており、書籍化を提案。半年後にフランスで刊行された。 ルーズベルト大統領が「私たちが心に銘記すべきことをこれほど多く含んでいる書物は、私の知る限り他にはない」と絶賛したことでアメリカで100万部を超え、ヨーロッパでもさらに広く読まれた。
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知性について/内田 樹
¥1,870
著者:内田 樹 出版社:光文社 判型:四六変・256ページ 版元からの紹介: 思想家・内田樹が紡ぐ25のエッセイ。インプットの方法、アウトプットの原則、学術の意味、複雑化する社会での教育、若い読者へのメッセージまで、知性の本質を縦横無尽に展開する。学問と実践、リベラルと保守、知性と宗教――対立するように見える概念の間を自在に行き来する内田哲学の真髄がここにある。混迷の時代を生き抜くための知の在り方を示し、現代人凝り固まった常識を打ち砕いてくれる一冊。
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ビールの自然誌
¥2,420
著者:ロブ・デサール、イアン・タッターソル 訳者:ニキリンコ、三中信宏 出版社:勁草書房 判型:四六・288ページ 版元からの紹介: ビールという扉の先に、こんな豊穣な世界が広がっていたなんて。人も動物も歴史も自然科学も泡まみれにして惹きつけるビールに乾杯! 切っても切れない関係の人類とビール。もはやビールは普遍的な文化そのものなのだ。古代の醸造法へ、人気のクラフトビールへ、著者二人があるときは史料を読みこみ、あるときは世界中を旅して迫っていく。ビールのことなら人類誕生前から現代社会まで、科学的解説とともにお届けする、面白くて意外なお話たちのはじまりはじまり。 目次: はじめに I 穀物と酵母──太古以来の名コンビ 1 ビール、自然、そして人間 2 古代のビール 3 醸造の歴史 4 ビール呑みの文化 II (ほぼ)当てはまるビール原論 5 ビールも分子でできている 6 水 7 大麦 8 酵母 9 ホップ III 快楽の科学 10 発酵 11 ビールと五感 12 ビール腹 13 ビールと脳 IV ビール造りのフロンティア今昔 14 ビールの系統樹 15 ビール復活請負人たち 16 ビール造りの未来 解説 枝葉を広げるクラフトビール──ドレスデンの街角から[吉澤和徳] 文献解題 索引
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ロバート・ツルッパゲとの対話/ワタナベアニ
¥1,980
著者:ワタナベアニ 出版社:センジュ出版 判型:240ページ 版元からの紹介: 君たちに足りないのは哲学だよ。知らんけど。 センジュ出版史上最速で3刷! 国内外で活躍を続ける写真家・アートディレクターのワタナベアニ氏による初著書。海外と国内とを行き来する著者による、この国の「哲学」について。「自分がしたいことを考えず、与えられたことだけをこなして自分を騙してしまう。これが哲学の不在です」と、著者はそう語ります。私達はいま、自分に正直に生きているでしょうか。“大人の幼稚さを通過して、もう一度純粋な子どもの目を取り戻”したい、そんなあなたへこの本を贈ります。哲学の世界へようこそ。 ワタナベアニ:1964年横浜生まれ。写真家・アートディレクター。広告プロダクション、株式会社ライトパブリシティ勤務を経て、独立。「45R」などのクリエイティブディレクションを手掛ける。日本テレビ『anone』ドラマポスターで日本広告写真家協会・優秀賞を受賞。雑誌・広告・ファッションカタログ、国内外での写真展を中心に活動。 ロバート・ツルッパゲとの対話 内容: 国内外で活躍を続ける写真家・アートディレクターのワタナベアニ氏による初著書。海外と国内とを行き来する著者による、この国の「哲学」について。「自分がしたいことを考えず、与えられたことだけをこなして自分を騙してしまう。これが哲学の不在です」と、著者はそう語ります。私達はいま、自分に正直に生きているでしょうか。“大人の幼稚さを通過して、もう一度純粋な子どもの目を取り戻"したい、そんなあなたへこの本を贈ります。哲学の世界へようこそ。 著者略歴: ワタナベアニ 1964年横浜生まれ。写真家・アートディレクター。広告プロダクション、株式会社ライトパブリシティ勤務を経て、独立。「45R」などのクリエイティブディレクションを手掛ける。日本テレビ『anone』ドラマポスターで日本広告写真家協会・優秀賞を受賞。雑誌・広告・ファッションカタログ、国内外での写真展を中心に活動
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いい匂いのする方へ/曽我部恵一
¥2,200
著者:曽我部恵一 出版社:光文社 判型:文庫判/176ページ 版元からの紹介: 涙が出そうになりますもん、生きてると 。 「好きなこと、素敵な予感のする方へ歩いてきただけだ」――イヤなことから逃げても、幸せに生きるやり方がある。やってみたら、自分のやり方が見つかる。みんなそれぞれ、性分に合った生き方をすればいい。ミュージシャン、カレー店オーナー、シングルファーザーとして人生。たっぷりの喜びと苦しみをつづった、16 年ぶり待望のエッセイ集。
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収納され続ける収納 生活者のデザイン史/北田聖子
¥2,090
著者:北田聖子 出版社:雷鳥社 判型:240ページ 版元からの紹介: 桑沢デザイン研究所でデザイン史を教える著者がつむぐ「収納」の歴史 誰もがあたりまえに行っている行為「収納」。おもに住まいに関する収納を取り上げた書籍や雑誌の刊行はあとをたちません。なぜ収納の話題は尽きないのか。また、どうして私たちは物をどうにか収納しようとし続けるのか。 本書では、「住まいにおける収納がどのように語られてきたか」をテーマに、収納の歴史を3つの章と10のパートにわけて編成しています。私たちになじみのある現代から、過去にさかのぼるかたちで、時代ごとに変わっていく収納の意味や、それらがあらわれた文脈を、ことばを手がかりに取り上げます。 私たちは日々、デザインの所産である物を住まいのどこかに置いたり、隠したり、飾ったり、ときにはそのための収納用品を自らつくったりして、生活をかたちづくっています。収納の歴史は、名もなき人々のデザインの歴史でもあるのです。
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なぜ人は自分を責めてしまうのか/信田さよ子
¥968
著者:信田さよ子 出版社:筑摩書房 判型:新書/244ページ 版元からの紹介: 当事者の言葉を辞書として、私たちを苦しめるものの正体に迫る。 公開講座をもとにした、もっともやさしい信田さよ子の本。 「すべて自分が悪い」というふうに自分の存在を否定することで、世界の合理性を獲得する。この感覚を、自責感といいます。臨床心理学では、自責の問題はほとんど扱われてきませんでした。この本では当事者の言葉を辞書として、自責感だけでなく、母と娘、共依存、育児といったものにまつわる問題を考えていきます。講座の語り口を活かした、やさしい一冊です。 「私が念頭に置いていたのは、家族の問題、母との関係、配偶者との関係などに困っているひとたちだった。いわゆる専門家ではなく、困っているひとたち(当事者)に向けて私は話をしてきた……本書は、かなりシリアスな内容が、わかりやすい文体で書かれた一冊になったのではないかと思っている。」(本文より)
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アイデアのつくり方/ジェームス W.ヤング
¥1,100
著者:ジェームス W.ヤング 訳者:今井茂雄 解説:竹内均 出版社:CCCメディアハウス 判型:四六版/102ページ 版元からの紹介: “どうやってアイデアを手に入れるか”への解答がここにある! アメリカの超ロングセラーが現代に問う先進の発想術。60分で読めるけれど一生あなたを離さない本。
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校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる/牟田都子
¥2,200
著者:牟田都子 出版社:アノニマ・スタジオ 判型:四六版/144ページ 版元からの紹介: 言葉のあるところには、すべて校正がある。 世の中には様々な校正・校閲の現場があるはずなのに、現場に関わる人以外にはなかなか中が見えづらい。本書は、校正者の牟田都子さんが11箇所の校正・校閲の現場で働く方々に取材をした対談集です。 マンガ、レシピ、テレビ、辞書、ウェブ、法律書、スクール、地図、新聞、商業印刷物、雑誌、それぞれの現場における特徴や進行の仕方、仕事の醍醐味や難しさを伺い、その現場特有の仕事道具や、どのような経緯で今の仕事に就いたのかなども教えていただきました。 校正・校閲に興味のある方、言葉そのものに関心のある方にぜひ手にしていただきたい内容です。 [目次] はじめに 1 マンガ 講談社校閲部 2 レシピ レタスクラブ(KADOKAWA LifeDesign) 3 テレビ タイトルアート 4 辞書 境田稔信 5 ウェブ ヴェリタ 6 法律書 有斐閣法律編集局校閲部 7 スクール 日本エディタースクール 8 地図 平凡社地図出版 9 新聞 毎日新聞社校閲センター 10 商業印刷物 タクトシステム 11 雑誌 BRUTUS(マガジンハウス) 参考文献 より校正・校閲を知るためのブックリスト おわりに
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音を立ててゆで卵を割れなかった/生湯葉シホ
¥1,870
著者:生湯葉シホ 出版社:アノニマ・スタジオ 判型:四六版/168ページ 版元からの紹介: 様々なウェブ媒体でライティング、取材で実績のある生湯葉シホさん。幼少期から現在にかけて不安でたまらなかった自己の内面を、食べものの記憶とともにふり返るエッセイ集。繊細な心の機微を捉え、共感を呼ぶ30篇です。
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【サイン本】エレベーターのボタンを全部押さないでください/川内有緒
¥1,980
著者:川内有緒 出版社:ホーム社 判型:四六版/256ページ 版元からの紹介: いつも広い世界を見せてくれるノンフィクション作家・川内有緒、初のエッセイ集。 『パリでメシを食う。』でデビューし、『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』で「Yahoo! ニュース|本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞した川内有緒が、連載していた日経新聞、雑誌「ひととき」など、さまざまな媒体に寄稿したエッセイをセレクトして収録。 メキシコの走る民族、飼っていた2匹の個性的な猫、大反響を巻き起こした「荒れた海で愛を叫ぶ」……。海外での驚くべき旅や出会い、日常に潜む冒険、死生観などを綴り、読者を新しい場所へ誘う。 ユーモラスで味わい深い文章に、温かな感情が湧き上がる。なぜか一歩を踏み出したくなる川内有緒ならではの一冊。 川内さんは丸腰で荒海に飛び込んでいって、宝物のような出会いをつかみ取ってくる。 この本そのものが、冒険で、旅なのだ。――岸本佐知子(翻訳家) 並外れた行動力と筆致。見たことない球をぶんぶん投げてくる。――こだま(作家・エッセイスト)
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僕には鳥の言葉がわかる/鈴木俊貴
¥1,870
SOLD OUT
著者:鈴木俊貴 出版社:小学館 判型:四六判/264ページ 版元からの紹介: 面白くて読みやすい!たちまち12万部! 爽快な読後感が大人気! ◎山極壽一さん(総合地球環境学研究所所長) 「現代のドリトル先生による新しい動物言語学の誕生だ」 ◎仲野徹さん(生命科学者) 「内容は深いが、文章は平易にしてユーモアたっぷり。 これまで読んだサイエンス本でベスト」 ◎三宅香帆さん(文芸評論家) 「『観察が上手い』人ってこう生きてるんだ!と興奮しました」 ◎安野モヨコさん(漫画家) 「鈴木先生の後をついて行けば鳥たちが何を話しているのかわかるかもしれない。 そんな気がして先生の後をついていく列に私も加わったのだ」 ◎養老孟司さん(解剖学者) 「好きこそものの上手なれ、という。でも論語ではさらに上があるとする。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず。楽しんでやっている人にはかなわない。著者の研究はまさに『これを楽しむ』の境地に入っている」 :::::::::::::::::::::::: 言葉を持つのは人間だけであり、鳥は感情で鳴いているとしか認識されていなかった「常識」を覆し、「シジュウカラが20以上の単語を組み合わせて文を作っている」ことを世界で初めて解明した研究者による科学エッセイ。 編集者からのおすすめ情報: 本書の草稿を拝読したとき、何より感動したのは、鈴木先生が「シジュウカラのことが好きだ、もっと知りたい」というまっすぐな気持ちで、自然の中に身を置いて根気強く鳥たちをよく観察する姿勢でした。文系、理系、アウトドア派、インドア派問わず、何かを「好き」と思う気持ちを大事にすることで、日常生活の中でも新鮮な驚きや気づきが得られ、ひいては世界的な発見にまで繋がる--これは読者の皆さまにとっても、ポジティブなメッセージとなることと思います。 ちなみに、初の単著となる本文内のイラストはすべて鈴木先生自身によるもの! こまかなところまでかわいらしく描かれているのは、愛と興味をもって丁寧に相手を観察する鈴木先生ならではのタッチです。ぜひお楽しみください。 ◎巻頭口絵にはシジュウカラたちのカラー写真が、巻末にはシジュウカラの言葉を聞ける二次元コードつき。 目次: はじめに 鳥たちの世界へ 小鳥が餌場で鳴く理由 救いと拷問のキャベツ ヒロシ先生の思い出 巣箱をかけた話 都会の住宅事情 繁殖の観察 修士課程の秋と冬 巣箱荒らしの犯人 大発見! ヒナの力 パースの思い出 動物の博士 実家の巣箱 ヒナ救出大作戦 井の中の蛙 シジュウカラに言葉はあるのか? 「ジャージャー」はヘビ! シジュウカラは文を作る ルー語による文法の証明 「ぼく・ドラえもん」実験 翼のジェスチャー カエル人間救出作戦 動物言語学の幕開け おわりに 特別付録 シジュウカラの鳴き声を聞いてみよう 参考文献
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[新版]ポール・ランド、デザインの授業/マイケル・クローガー
¥1,540
著者:ポール・ランド/マイケル・クローガー 編集:マイケル・クローガー 翻訳:和田美樹 デザイン:中山正成(APRIL FOOL Inc.) 出版社:BNN 判型:A5判変型/80ページ 版元からの紹介: 2008年に刊行され、多くのデザイナーからの支持を得た『ポール・ランド、デザインの授業』を新訳にて復刊。IBM、UPS、ABCなど、誰もが見たことのあるコーポレートロゴを数多く手掛けたポール・ランド。時代に淘汰されないデザインのための哲学、教育者としての厳しさと優しさに触れられる、座右の書。 目次: 序文 ウォルフガング・ワインガルト 対話1 対話2 ポール・ランドに寄せて フィリップ・バートン ジェシカ・ヘルファンド ステフ・ガイスビューラー ゴードン・サルコウ アーミン・ホフマン
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文化の脱走兵/奈倉有里
¥1,760
著者:奈倉有里 装幀:名久井直子 装画:さかたきよこ 出版社:講談社 判型:四六判/224ページ 版元からの紹介: 第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞作! 本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。 いま、本読みたちにもっとも注目されているエッセイ集。 ******************** 軽やかで、優しくて、豊かで、 そしてなんと性根のすわった作家なのだろう。 ――川上弘美 遠いところからとても大切な声が聴こえる。 奈倉さんの静かでタフな言葉が、 新しい国境を切り拓いている。 ――三宅香帆 ******************** 「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。 「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より) 紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者が、言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。 もくじ: クルミ世界の住人/秋をかぞえる/渡り鳥のうた/動員/ほんとうはあのとき……/猫にゆだねる/悲しみのゆくえ/土のなか/道を訊かれる/つながっていく/雨をながめて/君の顔だけ思いだせない/こうして夏が過ぎた/巣穴の会話/かわいいおばあちゃん/年の暮れ、冬のあけぼの/猫背の翼/あの町への切符/柏崎の狸になる/あとがき 文化は脱走する 著者略歴: 奈倉 有里(ナグラ ユリ) 1982年、東京都生まれ。ロシア文学研究者、翻訳者。2008年、ロシア国立ゴーリキー文学大学を日本人として初めて卒業する。東京大学大学院修士課程を経て博士課程満期退学。博士(文学)。2022年、『夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く』(イースト・プレス)で第32回紫式部文学賞、『アレクサンドル・ブローク 詩学と生涯』(未知谷)などで第44回サントリー学芸賞(芸術・文学部門)受賞。2025年、『文化の脱走兵』で第76回読売文学賞(随筆・紀行賞)受賞。同年、第18回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。主な訳書に、ミハイル・シーシキン『手紙』(新潮クレスト・ブックス)、サーシャ・フィリペンコ『理不尽ゲーム』『赤い十字』(集英社)、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ『亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版』(岩波書店)ほか多数。近著に『ロシア文学の教室』(文春新書)。
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ATHE MAGAZINE 3号 BLESS AND CURRY
¥1,760
『ATHE MAGAZINE 3号 BLESS AND CURRY』 ソフトカバー 160ぺージ A5 判変形(114×207mm) 日本語 / 英語 版元からの紹介: ビール 2 杯分のアテになる Little Magazine『ATHÉ(アテ)』シリーズ。3 号目となる BLESS AND CURRY は「スリランカで一番うまいのはカレーちゃうねん。お葬式のごはん」。 有名スリランカ料理店の人から聞いたこの言葉は本当なのか。真実を確かめに行ったルポ ルタージュ。お葬式を探し回るなかで見つけたスリランカ家庭の味わい。そして紆余曲折 を経てたどり着いた真実とは。ソフトカバー。表紙フルカラー、中面モノクロ。現地で撮 影した 242 点の写真を掲載し臨場感を刷り込ませたビジュアル展開&バイリンガル仕様。 〇以下、プロローグより。 「スリランカで一番うまいのはカレーちゃうねん。お葬式のごはん」 ラッキーガーデンの池原賢美さんは言った。奈良と大阪を隔てる生駒山。その中腹にある ラッキーガーデンは 4 名のスリランカ人シェフを擁す、本場さながらのレストラン。日本 のスリランカ料理店として初めてミシュランに掲載されるほど、カレーや副菜を全部ごち ゃ混ぜにして食べるライス&カリーは果てしなくうまい。だからこそ、池原さんの言葉に 戸惑った。「お葬式って関係ない人も行けるんですか?」。冷静を装って聞き返すと、「お 葬式を見つけたら勝手に入っていくねん。勝手に手合わすねん。そしたら向こうは料理を 振る舞うことによって功徳になるからごはんをよそってくれる。そのメシがうまいの。た いしたもんは使ってないで。近所のおばあちゃんが集まって作る、炊き込みごはん。鶏肉 も入ってない。薄揚げと大根とニンジンくらいしか入ってないけど、もうどんだけうまい か」 それから1年後。 池原さんの言葉が忘れられず、スリランカに飛んだ。 葬式メシを食べるために。
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急に具合が悪くなる/宮野真生子・磯野真穂
¥1,760
著者:宮野真生子・磯野真穂 出版社:晶文社 判型:四六判並製/256ページ 版元からの紹介: もし明日、急に重い病気になったら―― 見えない未来に立ち向かうすべての人に。 哲学者と人類学者の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。 共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。 信頼と約束とそして勇気の物語。 もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか? もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか? がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。 目次: 1便:急に具合が悪くなる 2便:何がいまを照らすのか 3便:四連敗と代替療法 4便:周造さん 5便:不運と妖術 6便:転換とか、飛躍とか 7便:「お大事に」が使えない 8便:エースの仕事 9便:世界を抜けてラインを描け! 10便:ほんとうに、急に具合が悪くなる 著者プロフィール: ◇宮野真生子(みやの・まきこ) 福岡大学人文学部准教授。2000年、京都大学文学部文学科卒業。2007年、京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。専門は日本哲学史。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか――「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版)、『出逢いのあわい――九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版)、藤田尚志との共編著に『愛・性・家族の哲学』(全3巻、ナカニシヤ出版)などがある。 ◇磯野真穂(いその・まほ) 国際医療福祉大学大学院准教授。1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界――いのちの守り人の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想――やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)などがある。
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【サイン本】おかわりは急に嫌 私と『富士日記』/古賀及子
¥1,870
著者:古賀及子 出版社:素粒社 判型:B6変形判・並製/240ページ 版元からの紹介: いま大注目のエッセイストによる『富士日記』への道案内。 戦後日記文学の白眉とされる武田百合子『富士日記』のきらめく一節をあじわいながら、そこから枝分かれするように生まれてくる著者自身の日記的時間をつづる。 武田百合子生誕100年、日記エッセイの書き手による『富士日記』再読エッセイ。 * * * ルーティーンのなかには細かく細かく、たくさんのいつもの行動がある。繰り返しのことだと、好きだとか苦手だとか、だんだん感じにくくなっていく。「しゃがんで動物に御飯をやる」ことに、ここ、と矢印をつけて好きと言えるのは稀有だと思う。 それくらい、日常というのは人に構ってくれないものだ。(本文より) 目次: はじめに おかわりは急に嫌 なま身の善意 どちらも食べたいんですが 昭和がめちゃくちゃ 誰かの家はあいまい 桃のおばさん 食い逃げを見る おもしろいほど喜ばれない 車のなかで食べなさい 普通のところだ 人が死んだのか トンネルを走るお風呂 まずいたべもの 「わざわざ」以前の瓶ビール 重いふかしパン いかにもマニュアルのなさそうな コンビーフは今もある 蜂に印をつけられるか 食べ物に追われたい 情緒よりパワーのおみやげ 同居の人が不在であること 家具こそ雑に買う 自分ちじゃない家に帰って浴衣で寝る またたく間に食べる 生きたり死んだりする鳥 これくらい本気で『水戸黄門』が観たい 声に出してさびしい ふたりとひとりの奔放と気まま 運動の生息 映画は大胆に観る シャトルバスのヒッチハイク 三つずつ二膳の餅 涙が出て、それから笑う 反転を感慨するためだけの訪問 本当に現実とごっちゃになるときの夢の形 宿題をやらない人たち 誰もいない家 尻とへそ たくあんを食べたあとに飲む水は甘いか 正式な自分のごはん、非正式なごはん 下着かもしれない危機 男がいて嬉しい 新しくてわからない世の中 するときが好きだ 食べ物の不安 きっともっとゆっくり死んだだろう 遠くのあなたの装いを あとがき 著者プロフィール: 古賀 及子 (コガ チカコ) エッセイスト。1979年東京都生まれ。著書に『ちょっと踊ったりすぐにかけだす』『おくれ毛で風を切れ』(ともに素粒社)、『気づいたこと、気づかないままのこと』(シカク出版)、『好きな食べ物がみつからない』(ポプラ社)など。
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ローカルプレイヤーの教室 地域の中であなたの「したい」を「できる」に変える/森川公介
¥1,650
著者:森川公介 発行:小鳥編集室 判型:四六判・並製/212ページ 版元からの紹介: あやせのえんがわの対面講座「ローカルプレイヤーの教室」が本になりました! 地域の小さな起業や複業、地域活動をはじめたいあなたへ 「あなたの答えはあなたの中にある」 ・地域でちいさく起業したい、複業やなりわい作りをしたい ・住んでいる街にかかわりたい…でもはじめの一歩がわからない ・地域活動をはじめてみたけど、なんだかうまくいかない 地域とのかかわりを模索するあなたに贈る、実践型プログラム「ローカルプレイヤーの教室」。さまざまな視点や問いをもとに、ローカルプレイヤーのはじめの一歩から愛されるプレイヤーになるまでのノウハウをまとめた一冊。 ■こんな方におすすめ! ・地域で起業、複業をしたい ・地域活動を始めてみたい ・好きなことで何か活動をしてみたい ・地域活動を始めてみたが、なかなか上手くいかない という皆さんを応援するためにこの本は存在しています。 はじめの一歩や新たな視点づくりから、愛されるローカルプレイヤーになるまでをお話ししていきます。 推薦:今村ひろゆき(まちづくり会社ドラマチック代表) ――私もローカルプレイヤーの楽しさにとりつかれたひとり この本は、あすの暮らしが楽しみになる、まちで活動をはじめるための(とびっきりの)入門書だ。 自分が住む、働く、関わるまちで、何か活動をはじめたい、あるいは自分の眠れる力を発揮したい人に、大いにヒントになるに違いない。 そして、読後の皆さんがローカルプレイヤーとして一歩を踏み出せば、ローカルでの関わりを通じ日々に幸せを感じられる「いとおしい暮らし」があることを、筆者の森川さんが気づかせてくれる。 この本がとてもユニークなのは、「ローカル」というフィールドを選んだ人向けのノウハウや魅力が書かれていることだ。 「いとおしい暮らし」の体験談や、ローカルの多様な人との関わりでの立ち振る舞い方法が書かれた第4章「コミュニティリテラシーを考えよう」は、他の起業や複業にまつわる本では決して見ることの出来ない、自らもローカルプレイヤーであり、ローカルプレイヤーの教室を主宰する森川さんのオリジナリティなので、ぜひ注目してほしい。 さて、多くのページで触れられているのは、まだ具体的な活動が見つかっていない人たちへのアドバイスだ。しかも、読者へのヒントとなる問いかけがワーク形式で多々記載されているので、まるで森川さんの講座を受講しているかのように、読み進めていける。 アドバイスやワークで展開されるのは例えば、 ・過去を振り返ることから見える自分の特性の分析ややりたいことの発見 ・自分のやりたいことを活動や事業・イベントへブラッシュアップするためのヒント ・自分だけでなく、相手の視点を持ち、もう一歩やりたいことを魅力的にするためのアドバイス ・やりたい活動や事業を実際に活動にうつすための計画のつくり方 などだ。 森川さんのケアマネジャー経験や、元々の人柄もあり、どの内容も読者に寄り添い、やる気を鼓舞するような、やさしい語り口が印象的だし、ローカルプレイヤー先輩4名の実践インタビューが各章末に差し込まれ、先輩たちの事業や想い、経験を知ることができるヒント集のようで、読者の皆さんはきっと前向きに読み、ご自身のやりたいことを深めていけると思う。 思い返してみると、まちづくり会社ドラマチックとして事業を展開し13年経過したが、私の最初の一歩も、自分のやりたいことがわからないけれど、何かをやりたい自分を見つめ、「問う→向き合う→気づく→行動する」ことだった。 次第に、ローカルプレイヤーや企業、行政、さまざまな人と出会ううちに、地場産業やまち工場を知り、知り合いになった職人さんの靴を買ったり、よく通う飲食店の店主と親しくなったり、ローカルの方々と一緒にイベントや法人を立ち上げたりもしてきた。 そのような新たな出会い、初めて見る景色、つくった人を思い浮かべながら使える道具や食事、さまざまな人とハイタッチできた共同体験が楽しくて、13年間続けられたし、この後も自身のローカルプレイヤーライフが続けられることを願っている。 森川さん同様、私もローカルプレイヤーの楽しさにとりつかれたひとりと言って良いと思う。 最後に、この本は「自分」と「ローカル」との「新たな出会いの視点=出会い直し」を提案してくれている本だと思う。読者の皆さんには「自分」と「ローカル」の光を見つけ、それぞれの「いとおしい暮らし」を楽しんでほしい。 ようこそ、ローカルプレイヤーの世界へ! 2024年6月 まちづくり会社ドラマチック 代表 今村ひろゆき 著者プロフィール: 森川公介 (もりかわ・こうすけ) 合同会社えんがわ代表。ローカルプレイヤーの教室主催。元ケアマネジャー。 1982年6月生まれ。生まれも育ちも東京都足立区。 2006年より介護職に就き、グループホームの管理者やケアマネジャー事務所の管理者を経験。介護関係のイベントや勉強会の運営、地域のお祭りなどのお手伝いを通じて地域活動を学ぶ。 2021年4月、東京都足立区綾瀬にて合同会社えんがわを設立。ケアマネ事務所「あやせのえんがわ」を、コミュニティスペースを兼ねて運営。 2023年3月、社会保障制度にとらわれない地域貢献を目指し、ケアマネ業を休止。地域活動を始める人々のための「ローカルプレイヤーの教室」を開講。 2024年現在、地域活動の講師や住民会議のファシリテーター、地域イベント運営やコーディネート、NPO団体の運営等で地域活動を実践している。 https://engawa-ayase.com/
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ことぱの観察/向坂くじら
¥1,980
著者:向坂くじら 出版社:NHK出版 判型:四六判/272ページ 版元からの紹介: 文芸の世界で最も注目を集める作家が挑んだ、言葉の定義をめぐるエッセイ集。 「好きになる」「さびしさ」「つきあう」――。日常で何気なく使っている言葉で私たちは、他人と「本当に」分かり合えているのだろうか。一つ一つの言葉が持つあいまいさや脆さを鋭く見抜き、記憶や経験、痛みや喜びの「手ざわり」からその意味を結び直す。他人や、自分自身や、そのあいだにある関係を観察した日々の、試行錯誤の記録。 ある言葉があって、同じ言葉を使う他人がいる。しかし、お互いにほかの文脈を持っていて、ほかの意味を考えている。だから会話が食いちがい、ときに関係がうまくいかなくなるのだ。定義をしながら、そしてその不完全さを思いながら、いつも感じてきたことがある。言葉がわたしの中である意味をむすぶとき、そこにはわたしの記憶や、経験や、痛みや喜びの手ざわりが、どうしようもなくまとわりつく。そしてきっと、他人の使う言葉には、彼らの記憶や、経験や、手ざわりが、同じようにまとわりついている。(「観察」より) 目次: まえがき 1.「友だち」「遊びと定義」「敬意とあなどり」「やさしさ」「確認」「忘れる」「くさみ」 2.「好きになる」「恋」「ときめき」「性欲」「つきあう」「愛する」 3.あなた「友だち2」「めまいと怒り」「さびしさ」「寝る」「飲むとわかる」「乗る」「観察」 著者情報: 向坂 くじら 詩人。1994年、愛知県名古屋市生まれ。2016年、Gtクマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニツト「Anti-Trench」を結成、ライブを中心に活動をおこなう。 主な著書に詩集『とても小さな理解のための』、エッセイ『夫婦間における愛の適温』『犬ではないと言われた犬』(百万年書房)など。2024年、初小説『いなくなくならなくならないで』が第171回芥川龍之介賞候補となる。執筆活動に加え、小学生から高校生までを対象とした私塾「国語教室ことぱ舎」の運営をおこなう。
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計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話/三島邦弘
¥814
SOLD OUT
著者:三島邦弘 出版社:河出文庫/河出書房新社 判型:文庫/288ページ 版元からの紹介: 一冊入魂、原点回帰の出版社として各界から熱い注目を集めるミシマ社。たった一人の起業から五年目の「発見」までをつづった愉快・痛快・爽快エッセイ。各界から絶賛を浴びた名著に「番外編」書き下ろし。