さらば、ベイルート ジョスリーンは何と闘ったのか/四方田犬彦
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『さらば、ベイルート ジョスリーンは何と闘ったのか』
著者:四方田犬彦
出版社:河出書房新社
判型:四六版
ページ数:240ページ
版元からの紹介:
中東戦争を撮り続けた知られざる巨匠ジョスリーン・サアブ。世界史的悲劇が凝縮する土地と時代を生きた彼女の生涯を通じて、自由を希求する人間の輝きを描く感動のノンフィクション。
レバノンの名家に生まれ、
パリで客死したある女性映画作家の生涯。
驚異と感動のノンフィクション
* * *
遠い鏡に映った他人を映画に撮ろうとするのは、
死が目の前まできているから――。
ここ数年読みたかった本が実際に存在した。
――多和田葉子(作家)
永遠を横切りながら、切り裂きながら撮る女。
移動の情熱、零れ落ちる命、そしてフィルムは生き延びる。
――斎藤真理子(翻訳家)
* * *
中東から西サハラヘ、さらにヴェトナムへ、瓦礫のなかで女性たちの人生を見つめ、歴史の証言者たろうとしたドキュメンタリスト、ジョスリーン・サアブ。骨髄を癌で犯され余命いくばくもない彼女から、わたしは最後の作品への協力を依頼される。それは元日本赤軍幹部・重信房子と娘メイの、母娘の絆の物語だった。だが、そんなことがはたして可能なのだろうか……。歴史は無慈悲に進行し、記憶は両手から零れ落ちる砂のように消えていく。死の直前まで彼女が見つめていたものは何だったのか? 知られざる女性映画作家の足跡をベイルートに辿り、その生涯を凝視する珠玉のノンフィクション。
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